暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

実家の母を介護するために北海道から引っ越してきました。その介護も終わり、片づけと大学通信教育部の勉強と猫と。そんな雑記ブログです。当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

天然痘と戦った緒方洪庵

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コロナのワクチン接種が日本でもいよいよ現実化してきた今。

不安はいっぱいです。

医療従事者の方から接種するとのことですが(いよいよ明日から?)、本当に効き目はあるのか。何より副作用副反応どうなのか。

 

江戸時代末期。

日本近代医学の祖といわれ、人々に批判を受けながらも伝染病を阻止するために、小さな子供に切痘(種痘)を施し、天然痘治療に尽力した医学者がいました。

緒方洪庵おがたこうあんです。

蘭学者でもあり町医者でもありました。

緒方洪庵の功績とはどんなものなのでしょうか。

緒方洪庵について、BSプレミアム「英雄たちの選択」再放送で取り上げていました。

 

目次

 

大坂に適塾を開く

緒方洪庵は、大坂に適塾を開きます。

そこから大村益次郎橋本左内福沢諭吉などが育ちます。

 

www.betty0918.biz

 

天然痘との戦い

江戸時代、毎年のように流行る天然痘(疱瘡)は感染力が強く、治療の術のない伝染病で、多くの人命、特に幼い子供の命を奪いました。

 

世界初のワクチンができる

蘭方医緒方洪庵は牛痘の接種をすれば天然痘を予防できることを知ります。

世界初のワクチンです。

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「牛」ですか

ヨーロッパやアメリカでは広まっていたものの、日本ではまだ知られておらず、海外からの輸入では長い船旅の間に感染力が失ってしまうこともあり、牛痘を日本に運ぶことが不可能でした。

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牛痘の輸入

しかし、嘉永2(1849)年、ついに牛痘の輸入に成功します。輸入したのは福井藩の医師、笠原良策かさはらりょうさく
笠原に「命を救う治療法はすべての人々に施されるべき」と直訴し、緒方洪庵は牛痘を分けてもらうことができるのです。

 

余談ですが、福井藩というのはこの頃、先を見据えた政治を行なう地域だったなと思います。

福井藩出身の橋本左内については以前ブログで語らせていただきましたが、もっと深くいつかお話したいと思っています。

今年の大河ドラマ「青天を衝け」で橋本左内を演じられるのは小池徹平さんです。楽しみです。

 

牛痘を広めるために

洪庵はこの牛痘を全国に広めようとします。

まずは大阪に除痘館を開き、牛痘接種(種痘)を始めます。

大坂市中では「牛痘を接種すると、子供が牛の身体になる」という噂が広がり、また牛痘の保存は当時の技術ではとても難しいものでした。

牛痘って、牛の膿ですからね。獣の膿を人間の身体に注入するのですから、抵抗もあるでしょう。

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洪庵は、生活に困っている貧困層に金や米を提供し、その見返りとして子供に牛痘を接種させてもらいます。

資金も底をつき、その苦労が数年後に報われます。種痘した子供たちが天然痘にかからないという実績が人々に知れわたったのです。

 

緒方洪庵という医者

大阪大学博物館に貴重な除痘館記録が残っています。

「この事業は医の仁術としての役割を旨とするのみ

 世のために新しい種痘法を広めることが目的のため

 利益を得ることがあっても己の物とせず

 さらに仁術を行う資金とする」

洪庵の誓いの言葉が記されています。

 

利益を得ても、そのお金は種痘を広めるための資金としました。

こうして安政5(1858)年、除痘館は幕府後任の種痘所となります。

分苗所は全国に拡がります。

 

この頃、外科は西洋医学を施しても、内科は漢方医の領分でした。

しかし内科にも西洋医学が十分な力があることを証明したのが緒方洪庵でした。

蘭学と漢方学のたがをとった垣根を取り払ったのです。

追記:「箍をとった」という表現はこの場合相応しくないというご指摘をいただき、私も確かにそのとおりだと思い、訂正させていただきました。

 

 

 TBSドラマ「JINー仁ー」で緒方洪庵を演じたのは武田鉄矢さん。

Amazonプライムで、今またちょこちょこ観てます。

名作です。