桜が・・・🌸
桜の花が散っていきます。
風にのって花びらが舞っています。
子供たちが手をのばして、花びらを捕まえようとしています。
来て見べき
人もあらなくに
我が家なる
梅の初花
散りぬともよし
作者不詳 by 万葉集
なくに:ここでは「~ないので」の意味。打消しの助動詞「ず」のク語法「なく」+助詞「に」
なる:存在の助動詞「なり」の連体形
直訳すると「誰も見に来ないし、散っていいよ。ごめんね。」です。
現代で「花見」といえば「桜」です。
奈良時代では「梅」でした。
梅が咲き誇っている庭。
しかしこの詠み人の家には誰も来てくれませんでした。
ごめんね、まだ咲いたばかりで申し訳ないんだけど、散ってもいいよ。
無駄なんだよ!
だって誰も見に来ない。
美しい花も、人に見られなきゃ意味がない。
きみは無意味なことをしている。
もしきみが、息をのむように美しい満開の花を咲かせたとしよう。
誰もが見に来たくなるはずだろう?
ふふっ。
でも、誰も来ない。
それは俺に魅力がないからだ。
誰も俺と一緒に時間を過ごしたいと思わないからだ。
きみが美しければ美しいほど、俺はみじめな思いをするだろう。
だから散ってくれ。
頼む。
参考文献
リンク
作者不詳の歌ですから、どこのどなたか存じませんが、ものすごいネガティブ思考の方ですね。
それともよほど嫌われていたのか。
もしかしたら奈良時代にも「いじめ」があって、仲間はずれにされたのかな。
だとしたら悲しい。
「寂しけりゃ、ここへおいでよ~♪」
ねこ森町に「仲間はずれ」なんてワードは存在しないからね。
でも、ねこ森町のさくら祭りには、猫さんしか参加できない。