私のような昭和の時代に教育を受けた者は、江戸時代の身分制度として、武「士」、「農」民、「工」(職人)、「商」人…つまり「士農工商」と習いました。
しかし、NHK大河ドラマ『青天を衝け』のナビゲーターである徳川家康が「士農工商、もう教科書にその言葉はありません 」と言っていたのを覚えていらっしゃいますか?
あ、『青天を衝け』を視聴していない方も多いですもんね😅
江戸時代、武士は支配層として、身分の上位でした。それは紛れもない事実です。(たぶん💦)
しかし武士の下は「農ー工ー商」という上下関係の認識は適切ではないとの近年の研究成果や新説により、武士以外の他の身分に支配・被支配の関係はなく、対等なものであるとされるようになりました。
すべての身分が武士の支配下にあったのです。
そして、江戸時代には、武士、農民、職人(工)、商人以外に、天皇や公家、神主や僧侶などが存在しており、単純に「士農工商」というとらえ方ではなかったのです。
なので「士農工商」も、そして「士農工商」に代わる明治新政府の「四民平等」も、現在の教科書には記述がなくなりました。
このように近年の研究成果や新説により、歴史的解釈の変更が持ち上がることはしばしばあります。
たとえば、ある研究者が論文を書く。
それが注目される。
その論に対してさまざまな人が意見を述べ、議論され、研究される。
ようやくそれが通説となる。(もちろん通説にならず消えていく場合もあります。)
この期間は5年ほどかかります。
そしてそれが教科書に載る。これまた時間がかかります。
研究が発表されてから教科書に載るまで10~15年かかることがあるのです。
教科書に掲載されてもすぐに教員の方が納得するとは限りません。
親御さんならなおさらですね。
なので、小学生に勉強を教えるお父さんお母さんは、教科書を確認してからお子さんに教えてあげてくださいね。
教科書から「士農工商」が削除されたのは、つい最近のことではありません。
けっこう昔です。
私の子供たち世代(20代後半)に聞いても「載ってなかったような???」と曖昧な記憶ではありますが、学校で習ってはいないようです。