考古学の遺物として、欠かせないのが土器です。
私は通信制大学の考古学の授業で、朝鮮半島の土器についての授業を受けました。
土器には色の違い、そして硬度の違いがあります。
色は赤茶っぽい色なのか、暗っぽい濃い灰色なのか。
それは製作の過程による違いです。
土器の焼き方です。
目次
お隣り、朝鮮半島の土器
土器から学ぶ考古学。
土器はもちろん日本だけの物ではありません。
海を挟んで隣接する朝鮮半島から出土する遺物の中には日本の土器と似ている部分も多く、遠い昔から交流があったものと思われます。
酸化焔焼成
酸化焔焼成で焼いた土器は、赤茶っぽい色になります。
酸化焼成は「十分な酸素が供給された完全燃焼状態」です。
「窯」がなかった時代、「野焼き」といわれる焼成方法で焼き上げたのですね。
熱を閉じ込める「窯」がありませんので、温度はそれほど高くなりません。
温度はあまり高くありませんので、強度は弱くもろい仕上がりになります。
土師器
日本の縄文式土器や弥生式土器、古墳時代の
還元焔焼成
還元焔焼成焼いた土器は、青みがかった灰色(
還元焼成は「酸素が乏しい不完全燃焼状態」といえます。
いわゆる「窯」という密閉できるトンネル上の施設で焼くのです。
密閉した穴窯で、1000℃以上の高い温度で焼くので、硬く焼き絞まります。
焼いている途中窯を密閉することによって、窯の中は一酸化炭素が充満します。
土器の中の鉄分が発色するために、暗く黒っぽい色に仕上がるのです。
日本の須恵器
朝鮮半島の青灰色硬質土器、いわゆる陶質土器は日本の
だから、須恵器って何?
須恵器の製作技法は朝鮮半島南部からの渡来人によって伝えられたとされています。
その後朝鮮半島の国とは戦争することになったりしますが、大陸の文化が発達する過程でその交流はとても重要なものでした。
朝ドラ『スカーレット』
考古学で土器の授業を受けていて「穴窯」や「釉薬」などの言葉が出てきます。
私はそれらの言葉を2019年のNHK朝ドラ『スカーレット』で覚えました。
物を知らない私はそれまで「穴窯」も「釉薬」も知りませんでした。
戸田恵梨香さん演じた主人公は、実在の女性陶芸家です。
何気なく見ているドラマでも、情報が脳内にインプットされ、役立つ時があります。
たとえば、『おかえりモネ』では、今まで深く考えたことのなかった気象予報士の仕事の奥深さを感じることができました。
『エール』では、古関裕而さん作曲のたくさんの歌を知る事ができ、母の脳内でみるみる記憶が蘇ってきたのが嬉しかったです。
今放送されている『カムカムエヴリバディ』では?
ただただ、おはぎが食べたくなった(笑)
でも、安子からるいに主人公が変わるあたりで、ちょっとドラマのイメージが変わってしまって、私個人の感想としては残念でした。
幼少期のるいの心の傷を強調したかったのでしょうが、そのホラーのような恐ろしさに今深津絵里さんが演じていらっしゃる聡明なるいに感情移入できないのですよ。
『カムカムエヴリバディ』の放送、来年は1月3日㈪から放送再開します。
最近の朝ドラは、大河ドラマのように時代考証なども専門家の先生がきっちりとついています。
たとえば2020年の朝ドラ『エール』では、日本近代史の日本大学刑部芳則准教授が担当していました。
これはネットなどが普及して、専門家でなくても、知識豊富な視聴者が増えたための対策だそうです。
フィクションのドラマであっても真実をきちんと伝えようという制作側の姿勢ですね。