大河ドラマの醍醐味は、少しずつ人間の変化を描けること。
先日のトーク番組で、『鎌倉殿の13人』脚本の三谷幸喜さんはおっしゃっていた。
主人公北条義時は、ある出来事でダークになったのではなく、いろいろな経験を経て少しずつダークになっていった。
なるほど。
『鎌倉殿の13人』では柿澤勇人さんが熱演。
頼りないイメージの実朝ですが、実はリーダーシップにあふれる将軍でした。
彼の不運は世継ぎがいなかったこと。
世継ぎがいないことで、4代将軍を誰にするかということで、運命が大きく左右されたのです。
私は『鎌倉殿の13人』のネタバレは存じ上げませんが、このブログには史実としてのネタバレがございます。
また10月16日放送の39回「穏やかな一日」に関してのネタバレは少し含まれています。
ご注意くださいませ。
NHK歴史探偵「3代将軍 源実朝」、BSプレミアム英雄たちの選択「鎌倉殿暗殺!源実朝 禁断の政治構想」をまとめてみました。
目次
実朝の子
実子のいない実朝ですが、建永元(1206)年10月20日、母政子の命により、兄頼家の二男である公暁を
816年前の今日です。
10月16日放送の『鎌倉殿の13人』でも公暁(善哉)が実朝の子になったと、台詞で言及していました。
公暁の身分
源氏の血を受け継ぐという点では、公暁は源氏の中の源氏、一幡以上の血筋なのです。
北条政子は頼家への罪ほろぼしか、頼家亡き後も公暁への支援を続けていました。
三代将軍としての威厳は
実朝が信頼する和田家の謀反、和田合戦。
和田側の惨敗で、さらされた首は234にも及んだといいます。
この和田合戦、そして渡宋計画の失敗(中国へ渡ろうと大きな船を造るも失敗)などを経て、実朝の将軍としての信頼がなくなっていきます。
後継者問題
実朝は、かねてからの悩み、後継者問題を解決することで、謀反の防御を試みます。
幕府を安定させ、御家人からの信頼を得ようとします。
実朝と御台所(上皇の従妹)の間に実子がいれば問題なかったのですが、いない。
ならば誰を世継ぎにすればいいのか。
公暁を次期将軍に
候補として挙げられるのは、養子である公暁。
しかし公暁の父である頼家を死に追いやった北条義時は反対し、もしかしたら反乱を起こすかもしれない。
『鎌倉殿の13人』では義時は公暁を後継者にすることに積極的であったように描かれていましたね。
都から次期将軍候補を迎える
それなら、都からそれなりの血筋の子を迎え入れてはどうか。
後鳥羽上皇の皇子であれば、御家人たちも北条義時も反対できないだろう。
そう考えた実朝は、北条政子から卿の二位へ繋ぎ、後鳥羽上皇の皇子を将軍世継ぎとして迎え入れる約束を取り付けます。
後鳥羽上皇としても、息子を東国に派遣し実朝が後見してくれれば、強大な武力を持つ幕府を思うがままにできるのではないかという思いがありました。
公暁が実朝を暗殺
園城寺で学んでいた公暁が、鶴岡八幡宮の別当となるべく鎌倉に帰省します。
吾妻鏡によると、公暁は別当としての仕事を放りだし、1000日に及ぶ祈祷を行います。
それは実朝への呪詛?
その公暁に、建保7(1219)年の雪の日。
実朝は八幡宮拝賀を終えた夜、「親の仇はかく討つぞ!」と叫ぶ公暁に襲われ、亡くなります。
享年28(満26歳)。
公暁は実朝の首を手に乳父である三浦義村の元へ駆け寄るも、義村の手の者に殺されます。
実朝暗殺、黒幕はいるのか
公暁は次期将軍になる気満々だったのに、後鳥羽上皇の息子を養子に迎えることでその夢破れ、腹が立ったのか?
それとも本当に実朝を親の仇だと思って討ったのか。
もしかしたら北条義時が黒幕だったのではないか。
1979年大河ドラマ『草燃える』(原作永井路子氏)では三浦義村が黒幕でした。
いやいやいや、もしかしたら北条義時と三浦義村ら御家人が共謀して公暁をたきつけ、実朝を暗殺したのか。共謀説は本郷和人先生も支持してます。
鶴岡八幡宮
鶴岡八幡宮境内の白旗神社に父源頼朝と共に祀られ、明治になり白旗神社境内に改めて柳営社が建てられ祀られました。
八幡宮では実朝の誕生日である8月9日に実朝祭が行われています。
実朝の墓
源実朝の胴体の墓は、鎌倉市寿福寺境内に掘られたやぐらの内に石層塔が設けられています。
実朝の墓の隣りには母政子の墓があります。
前宣伝が大きかったわりに、10月16日放送で長澤まさみさんの出演はほんの一瞬でした。
私だったら。
私のシロウト考えですが。
義時の妻八重を長澤まさみさんにして、八重の退場をもっと早くします。
金剛を産んですぐに亡くなったとかね。
そしてその後の語りを、八重が語るという形で長澤まさみさんにナレーションしてもらえばいいかなと。
ガッキーの八重さんはすごく可愛かったから、それはそれでいいなと思ったけどね。