NHK朝ドラ『虎に翼』は今昭和40年代。
目次
尊属殺人
7月5日の放送(第70話)の最後のナレーションで「尊属殺の問題は20年後、再び世間を賑わすことになります」とありました。
尾野真千子さんの声が実にいい。
「昭和25年、尊属殺人の重罰規定を定めた刑法200条は、憲法に違反しないとする判決が最高裁で言い渡されました。よねたちは、その判決を覆そうとしているのです。今ならば、判決は変わるのか。それとも」
穂高先生(小林薫さん演)が書き記した最高裁判決への反対意見は 「この度の判決は、道徳の名の下に、国民が皆平等であることを否定していると言わざるを得ない。法で道徳を規定するなど許せば、憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳、法は法である。今の尊属殺の規定は、明らかな憲法違反である」とあり、この意見には穂高先生と何かと対立していた寅子(伊藤沙莉さん演)も感銘を受けていました。
20年後の尊属殺人はあまりに辛く、朝ドラには向かないであろうと、たぶんこの日のナレーションで終わるのだろうと思っていました。
しかしNHKは責めた。
史実では、日本で初めて最高裁が「法令に違憲判決を下した」画期的な判決を出したのは石田和外裁判長率いる最高裁でした。
石田和外裁判長、松山ケンイチさん演じる桂場等一郎のモデルだと言われています。
穂高先生のモデル穂積重遠氏が1950年10月に尊属殺人の重罰規定は違憲とする意見を出してから実に23年が経っていました。
被告の弁護人、報酬はカバン一杯のじゃがいもだったそうです。
昭和40年代学生運動
東京帝国大学、その後改め東京大学の安田講堂を全額共闘会議および新左翼の学生が占拠したのは昭和44(1969)年。
『虎に翼』でも学生運動に絡んだ物語を描いていた先週、映画『桐島です』の主人公を毎熊克哉さんが演じられたのだとニュースが入ってきました。
このニュースは長女から聞いたのですが、平成生まれの長女がこの映画に関心をもったことにびっくり。
1970年代、連続企業爆破事件に関与して指名手配され、49年もの逃亡の末、今年1月に70歳で亡くなった桐島聡容疑者。
監督は高橋伴明氏。
高橋伴明氏の作品では、三菱銀行人質事件の犯人を扱った『TATTO<刺青>』を思い出します。
『まんぷく』の名木くんが出てきたかと思った
12日に放送された『虎に翼』ではのどかの恋人(芸術家?)が登場してその風貌が『まんぷく』の名木くんに似ていて、上川周作さん(直明兄ちゃん)が二役演じてるのかと目を疑った(笑)
そしたら、ネットでも同じ意見がたくさんあって笑えました。
寅子の最初の夫が山岸(仲野太賀さん)で、次の夫がまーちん(岡田将生さん)。
『ゆとりですがなにか』リレーだ。
私は『ゆとりですがなにか』で仲野太賀さんのファンになったのでした。
『虎に翼』もアンコール放送の『オードリー』も、昭和をまた蘇らせるドラマでした。
次の『おむすび』は平成を振り返るのかな。