中国新聞で連載されていた石井哲代さんの暮らしが本になりました。
『102歳、一人暮らし』
石井さんは20歳で小学校教員となり、56歳で退職しました。
26歳で同じく小学校教員の良英さんと結婚しますが、子供はなく、83歳で夫を見送り、その後一人暮らしをされています。
毎朝の味噌汁はもちろん、自家製の野菜でおかずを作り、季節の柏餅も干し柿もおせち料理の黒豆もすべて手作りだそうです。
性格はとにかく明るく前向きです。
旦那さんのことが大好きだったのでしょう。良英さんの名前がよく出てきます。そしてお姑さんの話もよく出てきます。(お舅さんは古武士みたいな人だったとか)
人間とのコミュニケーションが好きなんでしょうね。
お友達や近所の人との交流が盛んです。
ご近所の人からは今も「先生」と呼ばれているそう。
そして、姪っ子さん(哲代さんのお兄さんの娘さんと弟さんの娘さん)たちがとてもよく哲代さんの面倒をみてらっしゃる。
「いよいよ一人暮らしができなくなったらウチに来てくれればいい」とおっしゃる姪っ子さん。
哲代さんは子供を授かることができなかったことをとても申し訳なく思っていらっしゃるようで、旦那さんは亡くなる前に「子どものことは気に病まんでもええ」と言ってくれたそうですが、自宅の仏教本の表紙の裏には哲代さんの字で「御先祖様すみませんでした 良英さんすみませんでした」と書いてあります。
女性が謝る必要はないし、それを旦那さんが「子どものことは気に病まんでもええ」というのも違うと思うのですが(子供を授からなかったのは女性の責任ではないのだから)、そんな時代に生きていた哲代さんはどんなに辛かったことでしょう。