本日11月18日放送のNHK『あさイチ』は「知らないと怖い…相続トラブル」で現代の相続事情についての特集でした。
私は昨年9月に母を亡くし、その後相続の手続きを自分でやりました。
不動産は住んでいるマンション1つだけ、預貯金はさほど多くないという母の遺産で、かなり簡単にできたのですが、それでも素人の私には知らないことがたくさん。
昨年を思い出しながら、興味深く番組を見ました。
目次
相続放棄
相続放棄は、負債を避けるための手段として、昨今ではよく知られるようになりました。
しかし相続放棄にも「思わぬ落とし穴」があるのです。
相続放棄手続きは相続を知ってから3か月という期限がありますし(場合によっては延期できることもあるそうです)、専門家に頼むと費用がかかります。
番組に出演された方は、20年以上会ってない姉の借金を知り、相続放棄しようと弁護士さんにお願いしたのですが、費用は10万円かかったそうです。
葬儀の費用を故人の預貯金から出したり、車の名義変更をしたり…と手続き前に故人の遺産を使ってしまった場合は、相続放棄できなくなるので、要注意です。また、番組では相続放棄したなら故人が滞納していた住民税は払わなくてよいとも情報発信していました。
限定承認
亡くなった方の負債の全貌がわからない場合は、相続を受け入れる前に「限定承認」という選択もあります。
遺言書の必要性
現実には、テレビドラマで見るような豪邸に住むお金持ち一族の相続争いは少ないのです。
そもそも資産が多い家は、あらかじめ相続対策をしっかりやっているだけでなく預貯金も十分にあるので、遺産分割がスムーズなのです。
相続トラブルの約4分の3が資産5,000万円以下の普通の家庭で起きています。
自分が亡くなった後、たいして多くない遺産で子供たちが争うのは避けたい。
それには遺言書が有効なのです。
遺言書作成は直筆で、実印を使用した方がいいでしょう。
寄与分
私は6年にわたって母と同居して介護を担ってきました。
それ以前は、妹が自宅と母の家を往復して介護してきました。
私たちは姉妹2人平等に介護をしてきたといえます。
兄弟のうち特定の人だけが親の介護をしてきた場合、遺産分けにおいて「寄与分」を主張することができます。
しかし、その寄与分には要介護度、内容、報酬などいくつか条件があり、それはちょっと厳しいかもしれません。
現実に寄与分を主張しても認められることは少ないようなので、「介護をしていても遺産相続にはあまり関係ない」と心しておいた方がよさそうです。
空き家問題
負の遺産として最近話題の「負動産」、いわゆる「空き家問題」にも番組では触れていました。
「空き家状態」が長ければ長いほど、家は荒れていきます。
野生動物が住みつく危険性もあります。
リフォームや取り壊しが難しければ(更地状態は空き家状態より固定資産税がかなり高くなってしまうのです)、せめて遺品の片づけや掃除だけでも早めに着手した方がいいのですが、遠方だとそれも難しいかと思います。