U-NEXTで映画『オッペンハイマー』を視聴しました。
オッペンハイマーは1954年機密安全保持疑惑により休職処分(事実上の公職追放)となりますが、死後55年経っての2022年に処分を取り消されます。
そのタイミングでの映画製作でしょうか。
オッペンハイマーは「アイソトープ(同位元素)はサンドイッチよりは役に立つ」などと言って、ストローズを不快にさせますが、こういった例えが好きなんですかね?
3時間という長編。
おまけに登場人物が多すぎて、理解力に乏しい私は見ている途中迷子になったりおいてけぼりをくったりしましたが、ネットで調べながらの視聴となりました。
劇中、何度か白黒パートが登場するのですが、よくありがちな過去部分という位置づけではなく、白黒場面は「核融合」というタイトルでストローズ目線です。
カラーパートのタイトルは「核分裂」でオッペンハイマーの目線になります。
それを最初に頭にインプットしておくだけで、映画の内容がグッとわかりやすくなります。
広島・長崎でも上映された映画ですが、複雑な思いを抱かれる方もいらっしゃるでしょう。
原爆投下の都市をどこにするのか議論する場面は、あまりにリアルで見ているのも辛かったです。
友人の物理学者イジドールは「爆弾を落とせば罪のない人まで巻き込んでしまう。3世紀にわたる物理学の集大成が環境破壊兵器になっていいのか。」とマンハッタン計画の参加を断ります。
原爆投下は、日本との戦争を終わらせるためのものではなく、ソ連との冷戦の始まりであったとの言葉にも考えさせられました。
映画『オッペンハイマー』は3時間と長いのですが、2度3度見返した方が内容が理解できるかと思います。
後半は原爆投下というよりは、スパイ嫌疑のかかったオッペンハイマーの聴聞会が中心になります。
この映画を視聴したのを機にNHK『映像の世紀バタフライエフェクト』を視聴しました。
オッペンハイマーの肉声を聞くと、胸が苦しくなるような気持ちになります。