ジムでは、「旅行に行ってきたの」とよくお土産をいただきます。
ある日、お土産をいただいたので「旅行に行ってらしたんですか?」と聞いたところ「推し活で、地方のライブに行ってきたの。」と答えてくださいました。
「推し活」とは、自分のお気に入りのアイドルキャラクター、俳優などを応援したり、楽しんだりする活動全般のことです。
ファン活動の総称で、グッズ購入、イベント参加、SNSでの発信など様々な活動が含まれます。
目次
『だからわたしは推しました』
NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が終わってしまい、寂しかったので(?)桜井ユキさん主演の数年前のドラマ『だからわたしは推しました』を全話イッキ見しました。
脚本は森下佳子さん。
もしかしたら、2016年の小金井の地下アイドル襲撃事件がモデルかな?
アラサーのOLが、地下アイドルを応援する話です。
女性が地下アイドルの女の子のファンになるのは珍しいかもしれない。
女性が女性地下アイドルを応援する
私の長男の同級生の妹さんが高校生の頃、AKB48がさほどメジャーではなかった時代に前田敦子さんを応援していて、グッズをたくさん買ったり握手会に参加したりしていました。
当時は前田敦子さんは歌もダンスもそれほど上手ではなかったのですが、一生懸命に頑張る健気な姿に心を打たれたのだとか。
彼女が大学生になった頃には前田敦子さんは華やかにセンターを務めていましたが、ずっと応援していました。
彼女、大学卒業後は芸能人にも関わるようなスタイリストになったそうですよ。
彼女は高校時代は部活のマネージャーをやっていました。
「誰かを応援するのが好きな性格なのかな」と私が言うと、彼女のお母様は「まさにそう」と笑っていました。優しい子なんですよ。
『父と息子の地下アイドル』
なんとなくAmazonプライムで視聴した松重豊さん主演の『父と息子の地下アイドル』
WOWOW新人シナリオ大賞だそうです。
とても丁寧な優しい作り方の物語でした。
ひねった脚本ではなく、ストレートにわかりやすく感情移入できましたよ。
そして、地下アイドルの売り込みだとかプロデュースだとか、一生懸命さに共感できました。
浮世絵からみる江戸時代の「推し活」
「推し活」は江戸時代にもありました。
蔦重と歌麿のコンビが活躍した江戸時代中期、「三美人」などの作品を世に送り出しました。
三美人のうち、ひとりが吉原の売れっ子芸者・冨本
しかし、残りのふたり、茶屋で働く高島おひさと難波屋のおきたはより身近な存在でした。
だって、茶屋へ行けば、姿を拝むことができるんですよ。
いわゆる「会って話せるアイドル」ですから、今でいう地下アイドル?
身近なアイドルというのは、おニャン子クラブが先駆けですか?
当時、シブがき隊のヤックンが言ってたんですよ。
中森明菜ちゃんだと、「バイクの後ろに乗れよ」と誘っても絶対に乗ってくれないだろう。でもおニャン子クラブのメンバーだったら、誘ったらもしかしたら乗ってくれるかもしれないという親近感がある。つまり明菜ちゃんが冨本豊雛で、おニャン子クラブがおひさ&おきた?
私の「推し活」
私はアイドルにも俳優にも、とくに「推し活」目標はありません。
しかしZUMBAが好きで、その中でもとくに好きなインストラクターさんがいて、彼女のイベントにはちょっと遠くまで出かけることもあります。
グッズも購入しています。
それが今の私の「推し活」かもしれません。
『だから私は推しました』では、主人公が十分なお給料をもらっている正規会社員ですが、それでは足らず、「推し活」のために危ないアルバイトまでしていました。
私はお金持ちではないので、「推し活」には節度ある出費を心がけています。
イベント参加も推し活グッズ購入も、ほどほどにしておかないと。
節度と良識ある仲間がいるので、彼女たちと「イベント貧乏にならないようにしようね」と言い合っています。
2021年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、「推し活」という言葉は広く一般的に使われるようになりました。
そもそも「推し」という言葉は1980年代頃からアイドルオタク界隈で発祥した俗語という説もあります。