NHK朝ドラ『風、薫る』は明治時代の病院が舞台です。
明治初期に癌の手術で麻酔を使ったり、解熱剤を使ったりしています。
日本で最初に麻酔を使ったのは、江戸時代の医師である
彼が独自に開発した麻酔薬(通仙散)を用いて、1804年に世界で初めて全身麻酔下での乳がん摘出手術を成功させました。
コンテンツ詳細 | 乳がん治療の歴史~世界初! 乳がんの麻酔手術は江戸時代の日本~
2009年TBSドラマ『JIN-仁-』で、幕末にタイムスリップした主人公の仁先生(大沢たかおさん演)が設備も薬もない時代の医療に奮闘します。
吉原花魁の野風(中谷美紀さん演)も乳がんを患い、華岡青洲が考案したチョウセンアサガオを主成分とする全身麻酔薬「通仙散」を使用し、仁先生が手術をします。
『風、薫る』から遡ること20年ほど前の『JIN-仁-』では、どんな医療現場だったのか、再度『JIN-仁-』をU-NEXTで視聴しました。
坂本龍馬や緒方洪庵、勝海舟などおなじみの偉人達はもちろん、漢方医の多紀元琰や醤油工場を経営する浜口儀兵衛も実在の人物です。「からくり儀右衛門」は後の東芝創設者です。
あ、勝海舟は『風、薫る』にも出てますね。
目次
上野戦争
『JIN-仁-完結編』最終回は、慶応4年の上野戦争を描いていました。

上野戦争は、戊辰戦争の最中に江戸の上野(現在の東京都台東区上野公園周辺)で勃発した、旧幕府軍の「彰義隊」と薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍との間の戦闘です。
慶応4年5月15日。西暦ですと1868年7月4日。159年前の今日です。
この上野戦争で咲(綾瀬はるかさん演)がケガをしたことが、主人公仁先生がタイムスリップするきっかけとなります。
現代に生きていた仁先生が幕末へとタイムスリップし、ドラマでは最終的には1868年からまた現代へと戻ります。
原作では仁先生は、最終的に咲と結婚し江戸時代で生きる決心をします。
麻酔
江戸時代に華岡青洲が開発した「通仙散(麻沸散)」は、飲み薬だったため効くまでに数時間かかり、麻酔の深さの調節も困難でした。そのため、戊辰戦争や西南戦争といった戦傷者が急増した時代に、素早く効く西洋式のエーテルやクロロホルムの吸入麻酔へと主役が移り変わっていきました。
明治時代には、エーテルやクロロホルムなどの西洋式の吸入麻酔が、近代的な病院を中心に使われ始めていました。
しかし、現在の感覚のように「どこの医療現場でも当たり前」というレベルまで完全に普及していたわけではありません。
当時はまだ「麻酔科」という専門医の仕組みがなく、外科医が手術をしながら麻酔をかけていました。
窒息や心停止などの事故リスクが高かったため、慎重に使われていました。
ペニシリン
ペニシリンの歴史は、1928年にイギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングが青カビから世界初の抗生物質を発見したことから始まりました。
その後、フローリーとチェインによって大量生産技術が確立され、第二次世界大戦で数多くの人命を救う「奇跡の薬」となりました。
『JIN-仁-』は幕末時代ですから、まだペニシリンのない時代です。
主人公の南方仁は青カビから天然のペニシリンを精製しました。
米のとぎ汁と芋の煮汁でカビを培養し、菜種油で脂溶性物質を分離させた後、活性炭に吸着させて不純物を取り除くという手作りの抽出工程を行うのです。

ドラマではイギリスでペニシリンが発見される前に「日本では土着的にイギリスより先に使われていた」として、緒方洪庵の弟子たちが和洋折衷の医療を作り上げたという歴史になっていました。
『JIN-仁-完結編』の最終回よかったなぁ。
緒方洪庵の弟子たちで作った仁友堂のメンバーのひとりは佐藤二朗さんが演じられていました。
『JIN-仁-』原作とドラマ
私は『JIN-仁-』の原作を読んでいないのですが、結末は原作とドラマでは違うということ。
そして、なによりドラマでは現代の仁先生の恋人である未来がいないこと。
それらを踏まえた上で、原作もドラマもそれぞれに良い作品であるという感想が多いようです。
『JIN-仁-』の原作を読んでみたいとは思うのですが、私はそれより手塚治虫作品の『陽だまりの樹』を読んでみたいです。
手塚治虫さんの曾祖父、手塚良仙(幕末から明治時代初期の医師・蘭学者)の物語で、内容が『JIN-仁-』の江戸時代の医療と似ているのだそうです。
『JIN-仁-』の作者村上もとか氏はもしかしたら「陽だまりの樹」を読んでいらしたのかもしれませんね。
それで『JIN-仁-』を執筆してみたとか?←私の勝手な想像です💦

