お正月にやっていた『マツコの知らない世界』で、ミュージシャン(音楽プロデューサー)の朝倉大介氏が、熱く語っていました。
朝倉大介氏はディズニーファンで有名です。
その中で、『アナと雪の女王』の音楽についての話が興味深かったです。
目次
『アナと雪の女王』
私はディズニーが特別好きなわけではありません。
子供たちが小さかった頃は、子供たちにつきあってディズニー映画を観ていたのです。
ディズニーランドも楽しいけど、若い時に数回行けばもういいかなという程度です。
でもさすがに大ヒットした『アナと雪の女王』は良かった。
松たか子さんの歌と吹き替えはその成功に大きく貢献していると思います。
朝倉大介氏の音楽分析
朝倉大介氏の分析によると。
映画というと、まずは映像が作られ、それにイメージを膨らませて音楽が後から作られます。
しかし、ディズニーの映画というのは、昔から音楽と映像が同時進行で製作されます。
1940年の作品『ファンタジア(原題:Fantasia)』はその典型です。
同時進行というより、ディズニー映画は映像より音楽が先行。
アンデルセンの『雪の女王』
『アナと雪の女王』の原作は、いわずものがなアンデルセン童話『雪の女王』です。
でも原作で、雪の女王は悪役でした。
だって原作は、雪の女王が少年カイを連れ去り、そのカイを助けるために幼なじみの少女ゲルダが雪の女王の宮殿に行き、カイを助け出すという物語なのですよ。
しかし、『アナと雪の女王』では、雪の女王であるエルサは悪者ではありません。
むしろ、自分の魔法を制御できないエルサの苦しみに、観衆は同情し共感し、彼女に幸せになってほしいと願わずにはいられません。
本当なのか?
実は当初エルサは悪役の予定だったと?
しかし。
「レット・イット・ゴー」の力
エルザは音楽の力で悪役ではなくなった。
「Let It Go」が素晴らしすぎて、エルサを悪役にすることができなくなったと朝倉大介氏は解析するわけです。
この「レット・イット・ゴー」は3分間の中に音楽テクニックが凝縮された素晴らしい曲なのです。
エルサの心境の変化を転調で表し、3分半で転調が9回もあります。そして違和感や緊張感が快感に変わる。
転調(てんちょう). 音楽において、曲中で調を変えること。本項で詳述。 言語学において、音節の結合により声調が変化すること(連続変調)。 転調(てんちょう)とは曲中で調を全く違う調に移しかえることである。Wikipediaより引用
コンプレックスを受け入れようと決意するエルサ。そしてありのままの姿で生きて行こうと歩きだすエルザ。
それが転調のたびに、観客がエルサの心と同化して、抑揚してしまうわけです。
私も「レット・イット・ゴー」はすごく好きです。
映像を観ながら聴くと、今でも泣ける時がある。
「ありのままで、空に風にのって」で、エルサが階段を駆け上るところ。
「二度と、涙は」で、右足でエルサが凍りを割るところ。
「これでいいの」で、エルサが髪の毛をバサッとおろすところ。
そこでグッとくる。
昔話における兄姉の定番
なぜ昔の童話というのは、上の子が意地悪で、下の子が優しい子なのか。「3匹の子ぶた」も「シンデレラ」も。
もしくは「安寿と厨子王」のように、優しい姉が弟である厨子王の幸せを願い亡くなってしまうとか。
なぜ「下の子」ありきで、「上の子」が添え物になるかな。
少しも寒くないわ
『アナと雪の女王』が公開されたばかりの頃、ジムの露天風呂でみんなで「レット・イット・ゴー」を大合唱していた。
最後の「少しも寒くないわ♬」というところで、若い子がボソっと「少しは寒いだろ」
って突っ込んだのが可笑しかった(笑)
『マツコの知らない世界』は普段見ていないのですが、新春SPだったので、毎週録画の設定でたまたま録画されていました。で、見たのです。
面白かった。
次回に続きます。