U-NEXTで『こんにちは、母さん』を視聴しました。
監督は山田洋次さん。
主演は吉永小百合さん。
この先、ネタバレあります。
目次
『こんにちは、母さん』の舞台
山田洋次監督が吉永小百合さん主演で描く「母三部作」(『母べえ』『母と暮らせば』)の3作目が『こんにちは、母さん』です。
隅田川を背景にして屋形船や遊覧船が美しい。
そして、近所の人が遠慮なく入ってくる光景が、いかにも正統派の下町人情ドラマ。
音楽
音楽がすごくいいなと思ったら、音楽は千住明さんだったとエンドロールで知りました。
山田洋次監督の作品には初参加だそうです。
そして、バイオリンは千住真理子さん。
ストラディバイルス”デュランティ”の華やかなバイオリンの響き。
吉永小百合さん
70代後半の吉永小百合さん。
お顔だけ拝見していると、60代にも見える。
とにかく美しい。
映画では少し猫背だったようにお見受けしますが、それは役作りでしょうか。
吉永小百合さんはトレーニングを欠かさず、体幹もお見事、立ち姿もとてもお若いのです。
それだけに、「下町のおばあさんになりきれていない」というのが、少し気になります。
この映画にあたって、吉永小百合さんがとても台詞回しに苦労されたとお聞きします。
たしかに、吉永小百合さんの台詞は長く、それをゆっくりと話すのですから、令和の人間にはもどかしい。
そのせいか、いつもポンポンと流暢な台詞が得意な大泉洋さん、永野芽郁さん、YOUさんが、なんだか吉永小百合さんのペースに合わせるのにとまどっているとすら感じてしまいました。
田中泯さん
ホームレス役の田中泯さんが素晴らしい。
さすがダンサー。
東京大空襲の説明の時のパフォーマンスは、指先まで神経がゆきわたり、「山田ワールド」に合わせたゆっくりとした口調がミュージカルのよう。
もっと出番多くしてほしかった。
人事部
大手企業の人事の話しをもう少し減らして、ホームレスの話しを前面に出してもよかったのではないかなと思いました。
大手企業人事部は、なくてはならない存在。
昭夫(大泉洋さん演)にはその仕事が辛く、部長職を捨てたことを「正義」のように扱うことにちょっと疑問を感じました。
だいたい個人情報満載の人事部が、オフィスのオープンスペースにあって、堂々と人事について話してもいいものなのか?
シロウトである私の個人的な感想です。
衣装
永野芽郁さんは、ちょっと派手な大学生の役なのですが、化粧も服も令和という時代にずれている。
ヘソ出しの服が多くて安室ちゃんを思いださせた。
昭夫(大泉洋さん演)の奥さんは足元しか映りませんでしたが、そのパンプスがなんだか野暮ったい。
そして、居酒屋にいた、名もないOLたち。
都心のOLにしては、ヘアスタイルも服もこれまた野暮ったく、昭和40年代を思わせた。
まとめ
ごめんなさい。
辛口の部分が多かったですね。
こんな感想は私くらいで、ネットでは大絶賛されています。
サスペンスのようなハラハラドキドキではなく、1つの家族を中心とした優しい世界のお話であると。
まさに、人間味あふれる「日本映画」であると。
反抗的な言動で親にモノを言う娘(永野芽郁さん演)が、黙々と父親(大泉洋さん演)の食べ終わった食器を片づけたり、お布団を敷いてあげたりと、これまたちょっと昭和の香り。
食器の片づけも布団敷きも自分でやれや!
離婚したくなる奥さんの気持ち、わかるわ!
あ、ごめんなさい。
また辛口。