先日カミュの『ペスト』について語らせていただきました。
流行り病を考えると、昨年の10月にNHKBSプレミアムで再放送された『大草原の小さな家』シーズン1の「救われた町」を思い出しました。
19世紀が舞台のこの物語は、何度か流行り病の感染と戦っています。
その中のひとつが発疹熱と戦う「救われた町」でした。
昨年10月の放送でしたが、私はまだ録画を消していませんでした。
再度観てみました。
目次
第19話「救われた町」あらすじ
ネズミノミから広まった発疹熱
町に安いトウモロコシ粉が出まわり、町の人々が喜んでそのトウモロコシ粉を買い、パンを焼きます。
アメリカでは日常的にコーンブレッドが食べられており、いわゆるママの味です。
高い小麦粉よりずっとお値打ちですが、チャールズは小麦粉を売るハンソンに義理立てをしてトウモロコシ粉は買いませんでした。
その安いトウモロコシ粉。
実は🐭ネズミがトウモロコシ粉の倉庫に住み着いており、ネズミからノミ(たぶん)が媒介していたのです。
菌はパンを焼く段階で死んでしまうのでしょうけど、そのトウモロコシ粉を家の中で保管していれば、ノミが生息しています。
そこから人間へと「発疹熱」が感染していきます。
ウオルナットグローブではあっという間に発疹熱が広まります。
発疹熱との戦い
町でただ一人の医者であるベイカー先生は、早い段階で病名をつきとめたのですが、感染源がどこにあるのかわからず、抗生物質もない時代、ただただ患者の熱を下げるために奮闘します。
そんなベイカー先生を成り行き上チャールズも手伝うことになり、牧師さんも善意から助けを申し出ます。
感染者の血痰などに含まれる菌を吸い込んだりすると感染してしまいます。
なので、チャールズは家族と会うことはできず、臨時の病院となった教会に泊まり込んで患者さんの世話をします。
発疹熱の終息
ようやく感染源がトウモロコシ粉にあるとつきつめたチャールズは、トウモロコシ粉の倉庫を燃やしてしまいます。
そして病院として使っていた教会は硫黄燻蒸し、菌の増殖を断ち切りました。
病は終息したものの、多くの命が奪われ、牧師さんが茫然と言います。
「今回のことはしばらく忘れない
時折、神の御意思に戸惑うことはありますが、
乗り越えてみると我々はより強くなったと感じられます」
発疹熱とは
さて吹き替えでは「発疹熱」となっていますが、発疹熱とはどういった病気でしょうか。
発疹熱はアメリカなどでは見られますが、日本ではあまり発症例がありません。
発疹熱リケッチア病原体によるノミ媒介性リケッチア疾患であり、発熱、頭痛、寒気、嘔吐、悪心、筋肉痛および発疹などの症状を示します。
それほどの重病ではないようなイメージですし、ヒトからヒトへの感染がないと厚生労働省のHPで断言されています。
ではなぜ『大草原の小さな家』では大流行となったのでしょうか。
実はペストだった
Wikipediaによると、『大草原の小さな家』シーズン1の第19話のエピソードタイトルは原題「Plague」となっています。
Plague、訳はペストです。
ドラマは発疹熱と訳していましたが、実はペストだったのです。
今の日本とウオルナットグローブの違い
日本のソーリと違って、ウオルナットグローブのベーカー先生は決断が早い。
ベーカー先生は礼拝中の教会に飛び込んで「みんな決して家から出ないように!」と緊急事態宣言をする。
そして、ウオルナットグローブの人たちはその言いつけを文句なく素直に守り、決して家からは出ない。
ローラやメアリーは父さんに会いたいのを我慢して、家のお手伝いをしながら自宅で勉強をして過ごす。
欲深いオルソンの店もすぐに休業するが、患者たちのためにシーツや毛布をためらうことなく無償で制限なく寄付する。
感染源をつきとめると、情け容赦なく、建物ごと燃やす🔥
日本でコロナが終息する日はいつだろう・・・。
NHKさんへお願い
『大草原の小さな家』のNHKBSプレミアムでの放送は、シーズン1をもってあっさりと11月に終了してしまいました。
4Kでは見ることができます。
シーズン1だけ、見せておき「あとは4Kテレビ買ってね!」って作戦でしょうか。
初回だけ無料であとは高いお金だして買ってね・・・というどこぞの通信販売の化粧品や健康食品みたい。
NHKさん。
不要不急の外出自粛の中、そんな意地悪なことしないで『大草原の小さな家』シーズン2以降もBSプレミアムで見せてもらえませんか?
もちろん総合でもEテレでもいいですよ。
私はシーズン4がとくに好きでした。