Netflixで『三島由紀夫vs.東大全共闘 50年目の真実』を観ました。
映画は昨年の封切ですが、当時はコロナ禍がスタートしたばかり。
映画館へ行くことはためらわれました。
なので、自宅で観ることができるのはありがたいです。
この映画は、大画面で観るというよりは、じっくり考えながら観たいと思っていたので、動画配信の視聴でよかったと思います。
私は1回目は二女の家で視聴し、自宅に戻ってからもう1度視聴しました。
Amazonプライムでも視聴することができます。
1969年の5月13日。
作家三島由紀夫が東大にて全共闘の学生たちと討論をしたのです。
左翼と右翼。
真逆の考えを持つ学生たちと三島由紀夫。
学生たちに真摯に向き合う三島は決して感情的にならず、時にはチャーミングな笑顔を見せて学生たちの笑いを誘うようなジョークもとばす。
東大全共闘の学生たちと三島は対立しているように見えて、実は同じ敵と戦っているのではないかとさえ思う。
途中、討論の内容が難しすぎて、私には理解できなかったけど。
安田講堂事件もその後の連合赤軍の行動も、幼い私にも現在のアラカンの私にも理解はできなかったけど。
現在70代になった東大全共闘のメンバーたちの姿は、「やりきった感」が見えました。
公務員を退職した方、現役の大学教授の方。
芥正彦氏は、討論会の時も自分の赤ちゃんを抱っこして三島とやり合う姿が印象的でしたが、その後アングラ演劇活動運動を指導したり寺山修氏と「地下演劇」を発行したりしながら活動していましたが、結局大学は除籍。今現在も演劇活動を続けていらっしゃいます。
そして東大全共闘のメンバーだけでなく、三島が率いた「楯の会」のメンバーもまた70代となり、今は「ちょっと知的なただの前期高齢者」です。
1969年当時、三島と一緒に自衛隊体験入隊をし、「伝統や文化という精神世界よりも経済価値が優先される社会に憤りを感じ、道義の腐敗の原因は憲法にあると考えていた。刺し違えてでも現憲法を改正するんだ。」と考えていた人たちです。
三島は、この討論会の翌年に割腹自殺を遂げます。
享年45歳。
11月25日は、大正10(1921)年に昭和天皇が大正天皇の摂政に就いた日でした。
そして三島が尊敬していた吉田松陰の刑死の日を新暦に置き換えた日に相当します。