東洋史、苦手な方多いですね。
私もです。
中華料理は好きでも、中国の歴史は苦手です。
でも世界の中でも歴史が古い中国の逸話というのは、なかなか興味深いものがあります。
南宋時代の儒学者
『夷堅志』の逸話は夢の話や生まれ変わった話なども多く、現代語訳を読んでみると、21世紀の今読んでも内容が面白いです。
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目次
『龍可前知』
東平府(現在の山東省泰安市東平県)出身の
宣和年間(1119年~1125年)の末期、
龍可が「都では間もなく大事件が起こるので、私もここから去るつもりです」と言ったので、趙九齢が「どんな事件?」と尋ねると、龍可は「火と龍のその日に、はげしい雪が空一面」とだけ言った。
翌年、
その時は、大雪が絶え間なく振り、龍可の言ったことと符合した。
龍可の言った「火と龍のその日」というのは「
■火と龍■
火は五行のひとつで、十干では丙、丁に当たる。龍は十二支の辰を指す。
『龍可前知』は、その「金」の侵犯を前年に龍可が予知していた…という話です。
2021年の「丙辰の日」は9月5日、今日です。
逸話の背景
「靖康の変」
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逸話の中に史実がある
龍可も趙九齢も実在の人物であり、そのリアルなやり取りから「金」の脅威が迫り、恐怖を抱いていた都・開封府の人々の心性を読み取ることができます。
また、開封府陥落の予言が事前に巷でささやかれていたことも窺えます。
逸話から、歴史の中の出来事にまつわる背景が読み取ることができます。
歴史を学ぶきっかけは何でもいい
難しい漢字が多く、とっつきにくい「東洋史」もこうやって逸話を織り交ぜながら勉強すると面白くなります。
最近はゲームにハマって東洋史に興味をもつ人も多いですね。
『キングダム』とか、映画やアニメ、漫画などきっかけはいろいろです。
中学生が、社会科の授業の中で初めて「始皇帝」という言葉を知るよりも、あらかじめ「キングダム」の中での「始皇帝」が頭の中におぼろげながらもインプットされていた方が授業への関心も内容の吸収もずっと強くなります。
そして、「キングダム」の舞台を知ることによって、「秦」という場所や位置に興味を持ち、「世界史」にも精通することになります。
これが「1+1=3」になる勉強のやり方です。
ついでに。
9月5日は国民栄誉賞の日です。
ちなみに9月3日は「ホームラン記念日」です。