1977年大河ドラマ『花神』をご存じの方はいらっしゃるでしょうか。
「花神」とは中国の古語で「花さか爺さん」の意味です。
大河ドラマ『花神』は大村益次郎が主人公ですが、吉田松陰や高杉晋作など、時代を疾走した青年が咲かせ、散らした花吹雪の中で、彼らと彼らを支えた人たちの軌跡の物語です。
目次
大河ドラマ『花神』オープニング
昨年アンコール放送された『黄金の日日』でもありましたが、オープニングでの口上(司馬遼太郎氏の原作の文章を脚色)がいいのです。
10代の私の心に響きました。
「一人の男がいる。歴史が彼を必要としたとき忽然と現れ、その使命が終わると大急ぎで去った。
もし、維新というものが正義であるとしたら、彼の役割は津々浦々の枯木にその花を咲かせてまわることであった。
中国では花咲爺のことを花神という。
彼は花神の仕事を背負ったのかもしれない。
大村益次郎とは
大村益次郎は大坂の緒方洪庵の適塾に入門し、塾頭になれたほどの秀才でした。
故郷で町医者になり平穏な日々を送っていましたが、宇和島藩に仕官し、黒船と西洋式砲台の製造を手掛け、倒幕の最前線に立つことになります。
出生
周防国吉敷郡鋳銭司村字大村(現山口県山口市鋳銭司)。ここが大村益次郎の故郷です。
父は村医でした。
益次郎は、文政8年5月3日に生まれます。西暦ですと、1825年6月18日。
197年前の今日です。
天才大村益次郎
医師から軍人、政治家へ
益次郎は、類をみない記憶力と頭の良さで、緒方洪庵の元で修行を積みますが、医学だけではなくオランダ語の兵法書を読みこなします。
緒方洪庵についてはこちら↓
ただ益次郎は天才でありながら、医師としての才には欠けていたとの説もあります💦
ヨーロッパ流の兵法を会得した彼は、実践経験がないにもかかわらず、第二次長州征伐で幕府軍を打ち破り、その後の戦いにおいても官軍を勝利に導きます。
太政官制において兵部省初代大輔(次官)を務め、日本陸軍の創始者、陸軍建設の祖とされます。
ちょっと変わり者?
益次郎は無口な上に、不愛想。
農民の出である彼は、諸藩の士がもつ藩意識には鈍感で、むしろ新国家の敵と心得ていました。
歴史学者の磯田直史氏は、身分制度にも興味はなく、便利であれば、既存の価値を捨ててすぐに新しい方に乗り換える益次郎について合理主義だと解釈します。
また、精神科医の岩波明氏は、大村益次郎はASD(自閉症スペクトラム)であったと唱えます。
益次郎の合理主義は、周囲に忖度しないASDの特徴から生じたものであり、その記憶力の優秀さや仕事に対する打ち込み方は、特有のものにこだわるASDの特性と関連しているものだったのではないかと考察されています。
参考文献
暗殺
明治になってまもなく、大村益次郎は京都にて元長州藩士らに暗殺されます。享年45。
「切断した自分の足を緒方洪庵先生の墓の傍らに埋めておけ。」と遺言しています。
ドラマ『花神』の口上どおり、大村益次郎は自分の使命が終わると大急ぎで去ったのです。
大村益次郎、最近では『西郷どん』で林家正蔵さん(9代目)が演じられていました。
『花神』で演じられた中村梅之助(4代目)さんが印象的ですが、林家正蔵さんもとてもイメージぴったりでした。
でもできれば、4代目梅之助さんの長男中村梅雀さんが演じる大村益次郎を見たかった。
1977年大河ドラマ『花神』、今ならNHKオンデマンドで観ることができます。
私は今月からNHKオンデマンドに申し込んだのですが、観たいものだらけで時間がありません(笑)