2008年大河ドラマ『篤姫』をNHKオンデマンドでイッキ見しています。
視聴率は大変良かったようですが、大河ドラマというよりは、朝ドラ要素もあり、女性に評判がよかったのがわかるような気がします。
2008年当時、私は仕事と家事の両立で忙しく、『篤姫』前半は視聴していなかったのですが、高校生だった長女がハマっており、後半は私も一緒に視聴しました。
目次
篤姫と将軍輿入れと継承問題
薩摩の島津家分家の出である篤姫が将軍徳川家定に輿入れするというのは、将軍継嗣問題で一橋派であった島津斉彬が篤姫を徳川家へ輿入れさせて発言力を高め、一橋慶喜の次期将軍を実現させようと考えたとする見方が一般的であったと思われます。
しかし、最近の見方としては、家定自身が虚弱で子女は一人もいなかったこと、正室が次々と早死したための大奥の主が不在であったことから、島津家出身の御台所(広大院)を迎えた先々代の将軍・徳川家斉が長寿で子沢山だったことにあやかろうとしたというのが有力視されています。
ただ、広代院は薩摩藩主の実子であり、分家出身の篤姫は「御台所としては身分があまりにも低すぎる」という懸念の声が一橋派大名からも出ていました。
結婚と死別と大政奉還からの江戸城無血開城
将軍・徳川家定に輿入れするも、家定が急死し、結婚生活はわずか1年9か月でした。
その後、大政奉還、戊辰戦争で徳川将軍家は存亡の危機に立たされます。
その際に篤姫(天璋院)と和宮(静寛院宮)は、島津家や朝廷に嘆願して徳川の救済と徳川(=一橋)慶喜の助命に尽力します。
2008年3月21日の「南日本新聞」によると、天璋院が輪王寺宮(伏見宮邦家親王の第九子)に「幼い天皇をだまして戦争を続ける薩長の逆賊を『御征伐』してほしいと、『徳川家再興の一心』から訴えている」内容の書状を慶応4(1868)年7月9日に送っているとのことです。天璋院の本心がどこにあったのか、研究が待たれるところですね。
明治時代の天璋院篤姫
江戸が名を東京に改められた明治時代。
鹿児島に戻らなかった天璋院(篤姫)は、東京千駄ヶ谷の10万坪の徳川宗家邸で暮らしていました。天璋院の部屋は屋敷の東側の奥、庭に面したおよそ10畳の和室。
生活に窮した状況に陥っても、生活費は倒幕運動に参加した島津家からは貰わず、あくまで徳川の人間として生涯を全うしました。
旧幕臣・勝海舟や和宮(徳川家茂正妻)とも度々会い、徳川宗家16代・徳川家達に英才教育を受けさせ、海外に留学させるなどしていました。
ヒートショック?
明治16(1883)年、篤姫49歳。
新聞で驚きのニュースが報じられます。
「天璋院が11月20日に亡くなった。」
139年前の今日です。
篤姫の訃報を伝えた新聞には「湯殿にて誤ってつまずいた。その後昏睡状態になって亡くなった。」とありました。
NHKの番組『偉人たちの健康診断』では篤姫の死因はヒートショックであったと考察していました。
冬場に急増する入浴中の死亡事故。その主な原因がヒートショックです。
極端な寒暖差によって血圧が上昇し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。
部屋から出て、廊下を歩き、浴室に入った篤姫。
寒さのため血管は収縮し血圧が上昇したところで、熱い湯船につかった途端血管が一揆に拡張し、血圧が急降下。
血圧の乱高下に血管が耐えきれず破れて「脳内出血」を起こした可能性があるのだそうです。
「身体が丈夫だから」「子をたくさん産んでくれそうだから」と、将軍家に輿入れした篤姫が、49歳の若さで急死したというのは、少し皮肉な気がいたします。
篤姫は、徳川将軍家の菩提寺である上野の寛永寺境内にある夫・徳川家定の墓の隣に埋葬されました。
徳川将軍の墓で、夫婦2人の墓が横に並ぶのは、篤姫と和宮の2組だけです。
大河ドラマでの篤姫
最近では『青天を衝け』の上白石萌音さん。
私が1番好きだったのは『西郷どん』の北川景子さん演じた篤姫でした。
特に心に残ったのは、地震の場面。輿入れする家定の実の姿を知った篤姫の心の動揺を西郷にぶつける場面です。
1854年、安政の大地震の時に、将軍家輿入れ直前の篤姫は寝間着姿で、西郷隆盛に「一緒に逃げて」と言うのです。そしてなぜか西郷はそれを受け入れるという(◎_◎;)
しかし我に返った篤姫は「西郷が命を守ってくれた。改めて礼を申すぞ。御台所となるべきこの身体を傷ひとつなく、よう守ってくれました。もう下がってよいぞ、西郷。」と凛とした口調で言い放つのです。
この場面、リアルタイムで見て、すごく心に残りました。
このたびブログに記すにあたって、その回を再度視聴しましたが、泣いてしまった。
『篤姫』では、篤姫と小松帯刀は親友で、帯刀の方は篤姫に惚れていた。
どちらもドラマの脚色ですね。
大河ドラマは歴史に興味を持つきっかけにもなります。
『鎌倉殿の13人』では話題がてんこ盛りで、視聴率の巻き返しもあったようで、大河ドラマファン歴史好きにとっては嬉しい限り。
来年大河ドラマ『どうする家康』では、お市の方を演じられる北川景子さん。
そして、宮崎あおいさんは来年前期朝ドラ『らんまん』のナレーションを担当されます。