アニメですっかり日本人にはお馴染みになった名作『フランダースの犬』
クリスマスに絶望の中で主人公ネロが亡くなってしまうという結末が悲しすぎて、好きな物語ではありません。
私はアニメではなく、最初に『フランダースの犬』を知ったのは小学館の雑誌だったような気がいたします。
『フランダースの犬』の舞台はベルギー。
作者はベルギー人ではなくイギリス人ですが、物語を執筆する前年に、ベルギーを訪れています。
その時に立ち寄ったフランドル地方のホーボケンという村を舞台に、本作を描いたといわれています。
主人公のネロに特定のモデルがいたのかはわかりませんが、ホーボケンには風車小屋が存在し、そこにはアロアのモデルになった12歳の少女が住んでいたそうです。
また死後にネロを葬った教会も実存するそうです。
さらにネロの祖父が「ナポレオン戦争」に従軍して足にケガをしたことや登場人物にスペイン系の血が混じった人種の面影があるなど、当時の時代背景が色濃く反映されています。
作者のウィーダがイギリス人のせいか、そもそもベルギー地元では『フランダースの犬』が日本ほど有名ではありません。
ルーベンスの絵がある大聖堂を望む場所に日本から贈られたベンチ型の記念碑がありますが普通にベンチにされています😅
ベルギー人はかわいそうな少年を見殺しにしない!って、ベルギー人言ってるってよ。
ところで、『フランダースの犬』のパトラッシュの犬種は何でしょうね?
ベルギーが原産国のブービエ・デ・フランダースじゃない?
アニメに出てくるパトラッシュはセントバーナードに似てる気がしますが。
ベルギーのホーボケンに建てられたネロとパトラッシュの銅像はブービエ・デ・フランダースがモデルのようです。
この銅像は、日本人観光客が増えたことに驚いたベルギーが、建てたそうです。
しかし、原作内においてパトラッシュの外見は「皺だらけの黄色い額」「全体的に黄色、もしくは褐色の」「がっしりとした立ち耳」などの表現をされていることから、ベルジアン・シェパード・ドッグと呼ばれる犬種だという説もあります。
新潮文庫の『フランダースの犬』はNHK朝ドラでもおなじみの村岡花子氏の訳です。