身の回りのモノを捨て、最小限のモノで暮らすミニマリズムは、戦後の高度成長期やバブル時代を経て、資本主義の支配力に対抗した新たな文化として、平成の半ばから令和の今日まで根付くようになりました。
現在の日本のミニマリズムは、ある程度の物欲が満たされて初めて行きついた風潮なのかもしれません。
洋服も家具も、自分らしさを探しながらいろいろな物を試した結果であれば、もうモノがなくても自信に満ちた生活ができるでしょう。
高度成長期時代に育ち、バブル時代に青春を謳歌した私世代は、まさにそういった時を経て、今ミニマリズムの世界に憧れを抱くのです。
「ミニマリスト」という言葉を聞く時、「捨て活」や「家」のインテリア(家具や道具は最小限のモノしか持たないで暮らす)を思い浮かべることが多いのです。少なくとも私は。
目次
人間関係
訪問客が煩わしくなったのか、新聞に「急用以外は来ないでください」と広告を掲載したのは幸田露伴です。
夏目漱石の「木曜会」は有名ですが、漱石が毎週木曜日に若者を集め議論するための「木曜会」を開いたきっかけは、来客が増えて仕事に支障が出てきたからです。
なので、面会日を毎週木曜日の午後3時以降と定め、この日は誰でも自由に来てよいことにしました。逆にそれ以外の日は来客お断りというわけです。
幸田露伴にしろ、夏目漱石にしろ、人間関係を上手に(?)整理したミニマリストであったわけです。
参考文献⤵
食事
外食だって、レトルトだって、コンビニ弁当だって、栄養バランスの管理は可能です。
医師の和田秀樹さんは「健康を維持するための食生活の基本は、肉でも魚でも野菜でも偏らないで何でも食べることだ。食材のバラエティ豊富なコンビニ弁当は考えようによっては『長寿食』になる。」といいます。
「食の簡素化」ですね。
衣類
友人は、可愛い物や派手な物が好きで、いつも洋服は個性的。
それがまたとても似合うのです。
で、お孫さんにも自分好みのお洋服をプレゼントするのですが、お嫁さんはそれらを「特別な日のよそゆき」にして、普段はシンプルな服(時にはおさがり)を着せているとのこと。
「もっと普段から、可愛い服を着せてあげればいいのに。必要ならどんどん買ってあげるのに。」と不満そう。
友人の気持ちも、お嫁さんの気持ちも私にはよくわかります。
お嫁さんの洋服に関する考え方は「経済的」であり、「ミニマム」なのかもしれません。
ユニクロや無印良品などの商品が売れる背景には、「個性を商品で表現しなくてもかまわない」というニーズがあり、それを受け入れる若者(若者でなくても)が増えたということでしょう。
リフォーム中、一時的に我が家の居間が「ミニマリストの家」になりました。
結局、リフォーム工事が終わると、家具を元に戻しましたから、「ミニマリストの家」ではなくなりましたが。
以前よりはちょっとすっきりしました。
衣食住の基本的生活の中に、ミニマリズム的思考を取り入れていきたいとは思いますが、あくまでも「私基準」で、無理をせず。