映画『ロストケア』をU-NEXTで視聴しました。
物語はともかく、介護現場があまりにリアルで、私は途中号泣しました。
母の介護をしていた頃を思い出したからです。
幼い孫が「おばあちゃん、漏らした!」と叫ぶ場面。
あるよ、ある。
シモの世話は介護の基本。
ただ慣れてくれば、介護が大変なのはシモの世話ではない。
シモの世話はむしろ、介護生活全般のなかで、それほどウェイトをしめていない。
私は母が亡くなる直前まで、できればトイレで用を足させてあげたいと、車椅子から便座への移動がとても大変なのに、無理をしていました。
私、腰を痛めなくてよかった。もっと長期にわたっていたら、身体に支障でたかもしれません。
無理にトイレに連れていかなくても、ベッドの上でのオムツ交換の方が楽なのだと気がついたのは、亡くなる数日前。
オムツ交換の時は、母のお尻の下にペットシーツを敷いておきました。
交換している最中に失敗してしまうことがあるからです。
普段使っているレギュラーサイズではなく、大きめのペットシーツを買いました。
今でもそれが数枚残っている(笑)
母は徘徊がなかった。
何度か試みたけど未遂に終わっています。
そのうちひとりで歩くことが難しくなり、徘徊したくてもできなくなりました。
時々母はわけのわからないことで怒鳴ることがあったけど、「私夕飯食べていない」と夜中に怒り出すことがあったけど、「私の世話はアンタの仕事でしょ?」と上から目線で言われることがあったけど。
今、考えると私がやってきた介護は、世の中の介護の中でかなり楽な方ではなかったかなと思います。
娘が実母の介護をするというのは、介護の中で最もハードルが低いと感じています。私個人の思いです。
友人の中には、自宅でお舅さんの介護をされている人もいますが、それはそれは大変そうです。
私ががんばった6年間の介護のご褒美は、「悔いのない介護」をしたことで、母に対する罪悪感が全くなく、その後の私の人生が(おそらく、たぶん)幸せであるということです。
でももしかしたら、母はもう少し早くに、少なくとも母の食欲が激減した頃に(亡くなる1年前)施設に入所していたらもっと長生きできたのかなと思います。
映画『ロストケア』は辛い描写もあり、視聴する方には向き不向きがあると思います。
でも私は見てよかったです。
世の中の介護に携わる方々に十分な報酬がいきわたりますように。