役者さん、皆さんが好演していらっしゃいますが、私は菊地凛子さん演じる淡谷のり子さん(ドラマでは茨田りつ子)が好きです。
笠置シヅ子が「ブギの女王」なら、淡谷のり子は「ブルースの女王」
淡谷のり子は青森高女在学中から「不良」だったそうですが、モダンガールの代表でもありました。
『ブギウギ』でも、茨田りつ子はいつもおしゃれな服を着ています。
大正から昭和初期にかけて、「モボ・モガ」などに代表されるファッショナブルでモダンなイメージが強いですね。短髪のモダンガールたちが銀座などの繁華街を歩いているような。
大正12年4月に上京して東洋音楽学校(現・東京音楽大学)に入学しますが、実家の呉服店は倒産し、東京での生活は苦しく、裸婦像などのモデルのアルバイトをしていたことは有名です。
のちに彫刻家として活躍する笠置季男からの勧めで断髪し、大正13年には二科会の画家田口省吾から「洋服にしたらどうか。それじゃひとつ、僕が見立ててやろうかな。」と言われて、淡谷は初めて洋服を着たのです。
丸ビルの二階で、オーバー、ワンピース、靴、ストッキング、下着を買ってくれたといいます。
すべて外国製だったというから、かなり高価だったことでしょう。
淡谷がパーマネントをかけたのは、卒業後の昭和4年だったそうです。
淡谷は昭和5年にはポリドールレコードから吹込み料750円入ると、その資金でいろいろな店で買い物をしています。
当時小学校の教員の初任給が45円から55円でした。
昭和6年にはコロムビアレコードの歌手になります。
淡谷は社内の外国人を介して、アイシャドーやマニキュアも手に入れ、最先端のものを率先して身につけます。
洋服は銀座の「モナミ」や「アザレ」、外国の化粧品や香水は京橋寄りの「ブレッド・ファーマシー」、靴は「ヨシノヤ」、ネクタイは「田家」、「アザレ」では服飾手芸家の山脇敏子にイブニングドレスを仕立ててもらったそう。
淡谷のり子「わたしのモダンガール記」(『ファッションと風俗の70年ー婦人画報創刊70周年記念ー』
参考文献⤵
淡谷のり子のおしゃれ好きは晩年まで続き、ドレスやイヤリング、ネックレスなど生涯で費やした総額は、現在の貨幣価値に換算して約8億円とされます。
『ブギウギ』は残すところ、あと4週間。
4月からの伊藤沙莉さん主演『虎に翼』も楽しみですが、BS朝ドラアンコールは大石静さん脚本の『オードリー』だそうです。
『オードリー』は大好きでしたから、欠かさず視聴しますよ。