加賀藩政期、前田家では旧暦6月1日に山中の氷室を開き、冬の間貯えておいた雪氷を遠く江戸将軍家に献上していました。
長い道中、無事に氷が届けられるよう、庶民の間では麦饅頭を神仏に奉納し、その後、無病息災を祈願して食された風習が氷室饅頭として今日まで伝えられました。
現代では氷室が開かれた7月1日に夏の暑さを乗り切り健康を願って食される氷室饅頭は、娘の嫁ぎ先に持参され、親類縁者・近隣にも配られるという慣習を残し、初夏の風物詩として加賀金沢の街に伝え続けられています。
私は「氷室饅頭」について、幼い頃母に教わりました。
昨日、テレビで何度かこの氷室饅頭の製造についてニュースでやっていましたので、母に「氷室饅頭、覚えてる?」と聞いたところ、最初は「覚えてないわ。」と言っていたのですが、何度かニュースをみているうちに、母の頭の中にフラッシュバックされたようで「氷室饅頭、懐かしいわ。」と言っていました。
母「食べたことないけど。」だって。
嘘。金沢に住んでいる頃は食べてたじゃんか!
わざわざデパートまで行って購入してきました。
氷室饅頭、賞味期限が短い。
母は、一口だけ食べてくれました。たいして美味しいでも懐かしいでもなかったみたいです(笑)
ねこ森町にも氷室があるそうです。
ハナさんに、氷室饅頭をねこ森町に差し入れしてもらいます。
ハナさん!
ハナさん!
起きて!
ハナさん、幽体離脱して、魂はねこ森町に行ってる?
氷室饅頭の中は、すべてこしあんです。
無病息災を願う氷室饅頭。
母がこの暑い夏を乗り切れますように。
すっかり弱ってしまった母のために、訪問医療を利用することになりそうです。
その話はまたそのうちに。