2014年の年末、母が転倒して要介護4になったのを機に、妹が母の家に泊り込み介護をするようになりました。
それから2年7か月後、今度は私が仕事を辞め北海道の家を整理して、母の家に住み介護をするようになりました。
私は、母が亡くなるまで6年と2か月、自宅介護を続けました。
大雑把に計算して、8年9か月の間、私たち姉妹が母の世話をしてきました。
大変なこともありましたが、母の介護において金銭面の心配をしなくてもよかったというのは、本当に助かりました。
精神的にも肉体的にも追い詰められることの多い介護。その上金銭面で苦労しなければならないのであれば、負担が大きすぎます。
私の両親は、決して裕福ではありませんでしたが、贅沢をしない性格で、おまけにケチでしたから、老後資金の心配はありませんでした。
いつの日か母を施設に入所させる日がくるかもしれないと、まとまったお金には手をつけずにとっておきました。
母は最期まで自宅で過ごしましたから、その日がくることはなかったけど。
親の生活費などを、介護を受ける本人ではなく、子供が負担することもあるでしょう。
民法上や税務上、配偶者と直系家族、そして兄弟姉妹同士はお互いに扶養の義務があります。(民法第752条・877条、相続税法第1条の2)
そのため、夫が妻の介護費用を払ったり、別居している子供が親の介護費用を払ったりしても、そのお金に贈与税はかかりません。
たとえば、私の妹夫婦は、離れて暮らす父親(妹の旦那様のお父様)の宅配弁当の費用をすべて負担していますが、それは父親の生活に必要な費用ですから、贈与税はかかりません。
相続税法第21条の3に「扶養義務者相互間において生活費や教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」には贈与税を課さないと書かれています。
では、親が介護施設に入所する時に、その入居金を子供が負担した場合、このお金にも贈与税は課されないのでしょうか。
この場合、老人ホームの入居金が「通常必要と認められるもの」なら前述の贈与税の非課税財産に該当し、贈与税はかかりません。
「介護付きか否か」「居室の広さ」「娯楽施設の有無」などは、どの程度が「通常必要と認められるもの」なのでしょうね。
入居時の一時金が1億円を超えるような高級老人ホームの入所にかかる費用を子供が負担するのであれば、贈与税は非課税でないことがあるそうです。
「通常必要と認められるもの」という基準がなんだか曖昧ね。
そんな高級老人ホームに親を入所させられるゆとりのある方たちは「贈与税」なんて気にしないのかな。
妹夫婦が、独り暮らしのお父様のためにいろいろ援助をしているので、少し気になって調べてみました。
親のために「よりよい生活を」と考えている親孝行の人たちから、税金をとりあげるのは可哀想な気がしましたが、その心配はなさそうです。
1億円を超える施設への入所は、全く考えていませんので(笑)