togetterの記事で知った動画です。
アルツハイマー病になった元バレエダンサーの女性が『白鳥の湖』の曲を聴いて踊りだすのです。
Primera Bailarina - Ballet de Nueva York - Años 60 - Música para Despertar
この動画は2019年にスペインの非営利団体である「Música para Despertar」によって撮影され、今年10月30日に公開されました。
彼女は1960年代にニューヨーク・シティ・バレエ団のバレエダンサーとして活躍していました。
今は記憶を失い、車椅子で生活をしている彼女が、長いしなやかな手で白鳥を表現して踊る姿に涙が溢れました。
表情が素晴らしいのです。
きっと彼女は若い頃この演目を何度も練習し、身体に叩き込んだのでしょう。
記憶がなくても、身体が覚えていたのですね。
私はバレエ好きの妹と一緒にたまにバレエの公演を観ます。
今年はコロナ禍のため、その機会はなかったけど。
ダンスは、踊るのも観るのも好きです。
いつか私も年齢を重ねた時に、若い頃に身体で感じた音楽を思い出す時があるのかしら。
今放送しているNHK朝ドラ『エール』
昭和の作曲家古関裕而が主人公です。
94歳の母には、ドラマの内容はさっぱりわからないのですが、ドラマから懐かしい曲が流れると母は一緒に歌います。
「船頭可愛や」「暁に祈る」「長崎の鐘」などなど。
どの歌もしっかり歌詞を覚えていることに驚かされます。
これは音楽療法で、「回想法」の一種ですね。
元バレエダンサーの女性が「白鳥の湖」を聴いて踊るのは、「作業療法」であり「音楽療法」であり、「芸術療法」でもあります。
高齢者でなくても、私世代であっても、流行した歌とその頃の自分の立場とそれに対する感情を今も思い出すことができます。これらのすべてが懐かしいという感情を引き出し、あの頃に戻してくれるというわけです。
五感を刺激し、何かを思い出すことによって、別の感覚が出てくることが大切なんですね。
参考文献