ザ・ノンフィクション「12浪の早大生 38歳の就活 僕に内定をください」をTverで視聴しました。
私は「終活」についてはよくブログ記事にしますが「就活」はもうあまり身近にありません。
子どもたちの就活にもあまり関わってきませんでしたし。
長男は就活の頃にはひとり暮らしでしたから、私の知らないうちに内定をもらっていました。
長女は専門職だったので、就活らしい就活はしていません。先輩の中にはジーンズで就職試験に挑んだ人もいたそうです(笑)
二女の就活は身近で見てきましたが、もう10年も前のことです。
ただ、二女の就活を見てきて「就活とは、学生から社会人になるための準備期間なのだな」と感じ、「就活」は人生において必要なハードルだと認識しました。
ザ・ノンフィクションに出られた石黒さんは高校卒業後早稲田大学合格のために12浪しただけでなく、大学も休学を含め、8年も在籍しているのです。
まもなく30代も終わろうという年齢で就職している彼は(しかも新卒)、信念を曲げないというか、無謀な挑戦に周りの聞く耳をもたないというか、とにかくマイペース。
エントリーシート作成段階で年齢ではじかれて落ち込んだり(実は年齢ではじかれているわけではなかった。電話で問い合わせをすれば大丈夫になったのです)、メディア志望なのにジャーナリスト講座も課題をこなしきれず断念、そうかと思えばYouTuberになると言ってみたり、ピザ屋のインターンに参加したり、何もかもが中途半端です。
ピザハットが主催したフットサル大会のインターンシップにはびっくり(◎_◎;)

その中で、とにかく親身になってくれているのが、昭和女子大学のキャリア支援センター長の磯野さん。
なぜ、早稲田大学の支援センターではなく昭和女子大学のセンター長さんが?
磯野さんは、早稲田大学の卒業生で、石黒さんが所属している伝統あるサークル(英字新聞などを発行しているサークル)の大先輩でした。えぇ、大先輩ですよ、70歳ですから!
12浪の38歳の就活を一笑することなく突き放すことなく「サークルの後輩だから断る理由がない」とおっしゃって、50年近く前に所属していたサークルの後輩に仕事外で一生懸命に世話をしているのです。
しかし、その磯野さんから「もっと頻繁に連絡がくると思っていたのに、久しぶりに会って就職条件の方針転換に驚いている」と一喝くらってしまう石黒さん。
途中経過を説明する石黒さんに「(自分は)嫌なじじいだけど、(石黒さんの行動は)それおかしくない?」とまで言う磯野さん。
でもその磯野さんの忠告ってすごく的確なんですよ。
「頼っていいんだよ。喰いついてきたら私はいくらでも相談…」と熱弁する磯野さんは、途中番組のスタッフさんにまで同意を求めて、その一生懸命な姿に私は胸が熱くなりました。
磯野さんの叱咤激励の言葉に私は泣いてしまいました。
そして、その磯野さんを前にしてオロオロと言い訳する石黒さんは40代目前にしてはあまりに幼く見えました。私個人の感想です。
でも最後に言い訳ではなく「自分にはできない。恥ずかしい。」と打ち明けて、その石黒さんを上手に導いて、自信をつけさせてくれる磯野さん。
石黒さんも磯野さんも大学時代はサークルの幹事長でした。
磯野さんのような方が支援センター長を務めている昭和女子大学が羨ましい。
「頑張っている人に頑張れというのは残酷じゃない?」という石黒さんのお母様。
確かにそうだとは思うけど。
商売していらしたご家庭とはいえ、シングルマザーで経済面も大変だったのではないでしょうか。30代の息子の生活を支えているのですから。
結局、石黒さんは首都圏を離れて「松江」での就職を選びます。

最後の最後までハラハラして視聴しましたが、内定の結果で本当によかった。
内定を決めた会社の担当さんにも好感もてました。
「12浪の早大生 38歳の就活」のナレーションは多部未華子さん。
『ザ・ノンフィクション』のナレーション、どの方もとても上手です。

