太平洋戦争後、厳冬のシベリアに抑留されながらも仲間に生きる希望を説き続けた山本幡男さん。
映画「ラーゲリより愛を込めて」で二宮和也さんが演じた主人公山本幡男さんは実在の人物です。
映画でのエピソードも真実に近く、ご子息は立教大学名誉教授の山本顕一さんや建築家の山本厚生さん。
映画では長男山本顕一さんを寺尾聡さんが演じていらっしゃいますが、寺尾聡さんは平成5(1993)年にテレビドラマで山本幡男さんを演じられています。
目次
ソ連対日参戦
そもそも日本人捕虜のシベリア抑留は、ソ連が一方的に日ソ中立条約を破棄して大日本帝国に宣戦布告し侵攻してきたことが原因。
昭和20(1945)年8月8日夜に、ソ連のモトロフ外務人民委員が、佐藤尚武ソ連大使を招致し、そこで佐藤大使にソビエト政府の対日参戦を宣告します。
そして、翌日の8月9日未明にソ連軍が満ソ国境を越えて攻撃を開始しました。
78年前の今日です。
日露両国間の禍根
日本は8月15日に降伏しますが、ソ連のわずか一週間の侵攻で、たくさんの悲劇が起きます。シベリア抑留や中国残留日本人です。
ポツダム宣言後もソ連赤軍派侵攻を続け、現在の北方領土を占領したソ連。
またその過程でソ連軍による日本の捕虜や民間人に対する苛烈な行為は、現在の日露関係に影響していると思います。
終戦後であるにもかかわらず、日本は捕虜を救出できなかった。
社会主義建設のために、無報酬の労働力に駆り出されたのだと語る人もいます。
山本幡男氏
映画「ラーゲリより愛を込めて」の主人公山本幡男さんは、旧制東京外国語学校(現東京外国語大学)でロシア語を学び、結婚後満州に渡り、大連市の満鉄調査部に入社しました。
ロシア語の読み書きの才能を活かし、ソ連についての研究書の執筆やロシア語の翻訳や通訳など、語学関連分野で活躍したのです。
その彼が収容所に送り込まれ、その過酷な生活の中で仲間の支えとなる姿が映画では描かれています。
映画「ラーゲリより愛を込めて」
映画では、主人公を演じたニノはもちろんのこと、他の演技者も素晴らしいのですが、私は足が不自由な新谷を演じた中島健人さんに拍手👏👏
それ以上に素晴らしかったのが犬のクロを演じたワンちゃん(子犬と成犬がいる)ですかね。
ラーゲリ―で抑留者たちに黒い犬がクロと名付けられて飼われていた話は有名で「氷の海を追ってきたクロ」という児童向けの本もでています。