NHK朝ドラ『虎に翼』が先週終了しました。
最終回当日は「新党首就任」のニュースが飛び込んできて、女性が党首候補として健闘したその締めくくりの日でした。
目次
女性弁護士のドラマ
女性弁護士が主人公の朝ドラは『ひまわり』がありましたが、『ひまわり』は弁護士となる平成女子の成長物語。
『虎に翼』はそれとは全く違う、史実をたくさん盛り込んだリーガルドラマでした。
私は小学生の頃に、ポーラテレビ小説『ひまわりの道』(1971/09/27~1972/03/24)を見ました。
やはり戦前に弁護士として活躍した女性たちの物語でした。主演は佐野アツ子さん。
私はこのドラマで戦前に女性弁護士が存在したのだと知りました。
とても好きだったのですが、ネットで検索しても『ひまわりの道』についての記事はほとんどありません。
虎に翼
楽しかった朝ドラは何本もありますが、ここまで史実を学べた朝ドラはそれほどありません。
朝ドラは「主人公が成長する物語」が多いのですが、『虎に翼』は大正生まれの主人公の成長の物語であり、それと同時に昭和から平成に繋がる法律の物語でもありました。
寅子が「はて?」と疑問を抱いた少年法改正も夫婦別姓も、令和の現在も考えていく問題です。
『虎に翼』は何度もブログに記させていただきました。
尊属殺人や原爆投下の裁判など、朝ドラにしては重いテーマもたくさん扱いました。
ナレーション
『虎に翼』のナレーションは尾野真千子さんが務められました。
声がすごくいい。
時に寅子の気持ちとリンクして「はて?」と言い、時に新憲法を淡々と読み上げる。
最後の最後、尾野真千子さんがキャスティングされるかなと期待もありましたが、それはありませんでした。
最終回
初回で、寅子と花江が話していたのは橋の上でした。
最終回はその橋の上で、優未(寅子の娘)が美雪に労働基準法について説明します。
私は気がつかなかったのですが、そのふたりの後ろを歩く通行人が初回の場面と最終回の場面でリンクしているとネットで指摘がありました。
初回と最終回のリンク、初回は松山ケンイチさんの顔に焼き芋の皮がついていて、最終回は桜の花びらがついているのも面白かったです。
そして最後の最後は朝ドラ最終回あるあるの、米津玄師さんの曲と共に主人公の周りの人たちが次から次へと映し出されて、その中でも私はのどか(航一の娘)の「タバコ♫」のポーズと直道兄ちゃんの水浸しの顔が大好きだったので映してくれて嬉しかったです。
良いドラマでした。
先週から始まった朝ドラアンコールの『カーネーション』では、尾野真千子さんが主演。
そして『虎に翼』ではとことん優しく女性の社会進出を応援する穂高先生を演じられた小林薫さんが、大正昭和の男尊女卑丸出しのクソ親父を演じられます。
先日終了した『オードリー』は主人公が生まれた時から最後まで京都で過ごしましたが、『カーネーション』もまた主人公は岸和田から動くことなく、生涯を過ごします。
朝ドラにしては珍しいパターンです。
2011年放送の『カーネーション』は、それまで主婦の暇つぶし的な見方をされていた朝ドラが、「語る」「考察する」物語として周知させるきっかけとなった番組でした。
そして『カーネーション』の主人公小篠綾子を、映画『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』では大地真央さんが演じられるそうです。