Amazonプライムで、映画『あん』を視聴しました。
あんは餡子のあん。
樹木希林さん最後の主演作です。
「小豆の声を聞け。時計に頼るな。目を離すな。何をしてほしいか、小豆が教えてくれる。食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。その気持ちが小豆に乗り移る。うんとおいしゅうなってくれる。
そうおまじないをして、小豆を煮ていたのは、2021年のNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』
小説が原作の『あん』は2015年公開の映画。
舞台は小さなどら焼き屋さん。
そのどら焼きやさんに就職したのが樹木希林さん演じる70代の主人公。
何十年もあんこ作りに携わってきたらしい主人公は小豆をとても大切に煮る。
「湯気の香りが変わってきた。」
「豆へのおもてなし。せっかく畑から来てくれたんだから。」
「あったまった豆は割れやすいから、静かに、静かに、静かに…」
「いきなり煮たら(豆に)失礼でしょ。」
私も小豆を煮るのは好きです。
確かに幸せな気持ちになれます。
『カムカムエヴリバディ』が放送される何年も前に、樹木希林さんは小豆に敬意を払って、おもてなしの心で煮ていたんだね。
映画『あん』はお菓子作りがメインテーマではなく、ハンセン病患者さんの生き方の問題提起。
原作はドリアン助川さんの小説です。
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小豆を煮る描写では、もちろん専門家の指導があるのでしょうけど、もしかしたら樹木希林さんもこうやって毎日小豆を煮ているのではないかと錯覚してしまいます。
そのくらいリアル。
主人公の徳江にはモデルがいます。
ハンセン病患者として国賠訴訟に臨んだ上野正子さんです。
私はこの映画を観て、初めて上野正子さんを知りました。
数々の賞をとった『あん』
原作本は24言語に翻訳刊行されています。
おすすめです。