暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

実家の母を介護するために北海道から引っ越してきました。その介護も終わり、片づけと大学通信教育部の勉強と猫と。そんな雑記ブログです。当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。収益はすべて寄付しています。

映画『渇水』で思い出した昔の事件

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Netflixで映画『渇水』を視聴しました。

原作は芥川賞候補にもなった河林満の小説。KADOKAWAから2023年に出版されています。

 

 

 
映画の舞台は令和の群馬県前橋市
主人公岩切(生田斗真さん演)は市役所の水道部に勤め、水道を止める「停水執行」を担当しています。

そんな彼が、3年間支払いが滞っている家で、小学生の姉妹と出会います。
父親は出て行ったっきり帰ってこない。
母親はたまに来て少しのお金や食料を置いていくだけ。
2人きりで過ごす姉妹の家は水道料金滞納のため、停められてしまうのです。
 
目次

 

小説『渇水

原作である小説『渇水』(短編)の初版は1990年です。
渇水』は実在の事件ではありません。
しかし私は『渇水』の内容、そして小説が1990年初版ということで、1880年代に札幌市で起こった2つのシングルマザーの事件を連想してしまうのです。
 

電気を停められてローソクで生活

1984年4月。
札幌市白石区の母子家庭で、火災により小学2年生の男児が焼死するという事件がありました。
この家では生活保護廃止となって電気も停められたために電灯がわりにローソクを使っていたのです。
火事の時、母親は働きに出ていました。
 

母親が衰弱死

1987年1月。
市営住宅で、30代の女性が栄養失調で衰弱死します。
やはり札幌市の白石区でした。
女性には3人の子供がいました。
この家のガスは料金滞納により停められ、寒い札幌市の冬なのにストーブの灯油もすでにありませんでした。
彼女は離婚後子供たちのために懸命に働きました。
それでも一家の生活費を稼ぐのは難しいので、生活保護を受給していました。
しかし、彼女が正規職員であったために、生活保護は打ち切られました。
そのうち彼女は体調を崩し、仕事を辞め、寝込むことが多くなりますが、地区担当のケースワーカーは「まだ若いのだから働きなさい」と言うばかりでした。
 
わずかなお金で買う食料はすべて子供たちに与え、自分は水だけで飢えをしのいだ彼女は、ケースワーカーの面接から2か月後に遺体で発見されるのです。
 

映画『渇水

映画『渇水』の評価は、分かれています。
一致しているのは、姉妹を演じる子役の2人が素晴らしいということ。
内容に関しては「なぜ児童相談所にすぐ連絡しないのか」「リアリティがない」など。
似たような映画では柳楽優弥さんが子役だった頃の『誰も知らない』を思い出します。
『誰も知らない』は1988年の巣鴨子供置き去り事件がモデルとなっています。

 

 

 
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なんか1980年代、バブル経済で賑わっていた裏でいろいろな事件の起こった時代でした。