暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

実家の母を介護するために北海道から引っ越してきました。その介護も終わり、片づけと大学通信教育部の勉強と猫と。そんな雑記ブログです。当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

ETV特集『反骨の考古学者 ROKUJI』

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昨年の夏にNHKEテレで放送したETV特集『反骨の考古学者 ROKUJI』

今年1月に再放送もあったのですが見ていませんでした。

通信制大学の考古学の授業で森本六爾について学びましたので、見たくなりました。

YouTubeで見ることができましたので見てみました。

 

番組はドキュメンタリータッチでありながら、ハライチ岩井氏が演じる森本六爾もりもとろくじとその妻ミツギ(伊藤沙莉さん演)のドラマ仕立ての部分もあり、工夫をこらした演出で面白かったです。

森本六爾は、日本のその昔、弥生時代に稲作が行われていたことを提唱し、「考古学の鬼」の異名をとった人です。

 

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弥生時代、日本では稲作が行われていた。

今では当たり前の史実を当時は誰も受け入れようとしなかった。

 

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日本には縄文人が住んでいて、そこへ大陸から人がやってきて稲作を伝えた。

その史実を提唱するのは勇気のいることでした。

だって、日本は神様が作った国。

神が天から降りてきて統制した国だったから。

 

 
森本六爾は、拾った土器の破片にくぼみがあったことから、そこに稲痕を疑い、研究をすすめていきます。
そして弥生時代に稲作があったことを証明するために研究していきます。
彼は大学を出ているわけではなく、小学校の代用教員をしながら研究を続けます。
その研究がようやく認められた頃に、長年彼を支えていた妻のミツギが1936年結核で亡くなり、その数か月後、森本六爾もまた結核で亡くなります。
わずか32歳。
松本清張の小説『断碑』の主人公は、森本六爾がモデルだといわれています。
 

 
ただ、美談だけでは済まされない歴史もあるのです。
東京帝国大学で研究し成城大学教授を勤めていた山内清男は、森本がプライオリティーを侵害したとして批判しています。
山内清男が「石器時代にも稲あり」と『日本遠古之文化』を発表した後に、森本が弥生時代の農業問題解明の論文を発表したのです。
「弥生式研究の基礎は山内博士によって固められたと考えられるのであるが、今日においても森本氏の業績として評価されている。」と手厳しい意見をもたくさんあります。
ドラマではこういったことに触れませんでした。
 
山内清男は1970年に亡くなりましたが、「プライオリティー侵害の指摘と反論」についての問題は、森本が若くして亡くなったため、うやむやになりました。
 
 
奥様役の伊藤沙莉さんがとても可愛らしく、落ち着いた声でナレーションも担当されていました。
伊藤沙莉さんは、この『反骨の考古学者ROKUJI』での演技が評価され、ギャラクシー賞テレビ部門の個人賞を獲得したそうです。
 
マイナーなお話を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
今日も良い1日になりますように。