私は石田三成が好きです。
一昔前は、嫌われ者であった石田三成。
おそらくそれは江戸時代に、徳川家が石田三成を悪者にすることによって、徳川が豊臣家を滅ぼしたことを正当化しようとしたのではないかと、私は思っています。
三成は豊臣大名の中で群を抜いて優秀でした。
そして人柄は、とにかく真面目。
「嫌われ者」だったみたいな描き方をしているドラマや小説も数多くあります。
しかし。
三成は「奉公人は主人より賜はる物を遣ひ、合はせて殘すべからず」という言葉を残しています。「名将言行録」より引用
「家臣は主君からの賜物をすべて使いきって奉公するものだ。」という意味です。
三成は自分の財産はすべて秀吉のために使う、人生を賭けて秀吉に尽くした男だったのです。
目次
石田三成という武将
石田三成という人物。
ご存じの方が多いと思いますが、ここでちょっとおさらいです。
なぜ400年以上前の人物の武将の身長がわかるかって?
明治40(1907)年にお墓を動かした時に、石田三成の骨が出てきたからです。
社会科で歴史を習っている皆さん、「豊臣政権五奉行の1人」以外はスルーしてください。身長とか覚えなくていいですから!
地侍の二男坊であった三成は決して身分の高い武将ではありませんでした。
大名に近づけるような身分ではなかったのです。
三成と秀吉の出会い、お茶の逸話
そんな三成に運命の出会いが訪れたのは、天正2(1574)年。
三成15歳の時でした。
戦国時代から江戸時代初期にかけての逸話を集めた『
秀吉は37歳、鷹狩りをしていた秀吉が三成の預けられていた観音寺(滋賀県米原市)に立ち寄ります。
喉が渇いたという秀吉のために、三成は茶を出します。
まず1杯めな大きな茶碗にぬるいお茶を差し出します。
美味しかった秀吉は2杯めを所望します。
三成は茶碗の半分くらいに、先ほどより熱めのお茶を差し出します。
さらに3杯めを所望した秀吉に、三成は茶碗に少しだけ、熱々のお茶を差し出します。
喉が渇いている時にはゴクゴク飲めるお茶を、喉の渇きが癒されるのに合わせて量と熱さを考えてもてなす三成に感心して、秀吉は自分の家来にします。
これが有名な石田三成の
三献茶の効用
このお茶の出し方、飲みやすいだけではない、健康面の効果があります。
三種類のお茶には違う効果があるのです。
お茶はいれる温度によって成分の抽出量がかわってきます。
ぬるいお茶
低い40℃以下のお茶ですとテアニンがたくさん摂れます。
テアニンには疲れた身体を癒すリラックス効果が期待できます。
鷹狩りで疲れた秀吉を癒してくれます。
少しだけ熱いお茶
少しだけ熱い50~60℃のお茶ですと、カテキンがとけてきます。
カテキンは活性酸素を無毒化する働きがあり、疲労回復効果があります。
熱いお茶
80℃以上の熱いお茶ですとカフェインがドッとでてきます。
テアニンやカテキンも抽出されますが、カフェインの成分が強いため、テアニンやカテキンが感知しにくくなります。
カフェインには覚醒作用があり、これで頭スッキリ!
癒され、疲労回復し、覚醒作用でスッキリ…というお茶の効用を幼い石田三成は知ってか知らずか。
これを機に三成は、秀吉に忠誠を尽くす一生を送ります。
『軍師官兵衛』での石田三成
石田三成を「悪者」として描いてきた大河ドラマもいくつかあります。
最近では2014年の『軍師官兵衛』。
どうしても主人公の黒田官兵衛の息子黒田長政が石田三成と対立するという史実があるために、三成を悪く描かざるを得ません。
「悪女」に徹した茶々と三成の関係の描き方がどうしても好きになれないドラマでした。なんせ三成ビイキなもんで😅
黒田長政、加藤清正、福島正則らの武闘派とはぶつかることも多かった石田三成。
時には「三成を討ち殺して日々の鬱積を晴らす」by『関原始末記』などという三成の暗殺計画まであり、事前に察知した三成が命からがら逃げ延びるなんてこともあったのでした。
石田三成と茶々の関係
三成が近江出身であるため、近江浅井氏の姫である茶々を崇拝していたという考え方があります。
しかし、三成の石田家は近江の土豪であり、京極氏に代々仕官していた国人です。当時の浅井氏と京極氏は敵対関係にあったため、ある意味茶々は「仇敵の娘」ともいえます。
三成と茶々がただならぬ関係であったなどという邪推は間違えであると、私は考察するのです。
豊臣秀頼の父親は?
また豊臣秀吉と茶々の間の息子豊臣秀頼が石田三成と茶々の間の子であるという憶測は、おそらくこれも徳川が秀頼を死に追いやった言い訳であると私は考えています。
石田三成は文禄元(1592)年6月から朝鮮半島に赴いており、文禄2(1593)年生まれである秀頼の父親が石田三成であるとは考えにくいのです。
秀頼の誕生日は文禄2年8月3日、西暦でいうと1593年8月29日、428年前の今日です。
石田三成を演じられた俳優さん
NHKBSプレミアムで毎週日曜日朝にやっている『黄金の日日』は私が石田三成贔屓になったきっかけのドラマです。
近藤正臣さん演じられている石田三成がこれからどんどん活躍します。
主人公ルソン助左衛門との友情がドラマの軸になっていきます。
このドラマの大ファンであったという三谷幸喜さん脚本の『真田丸』での山本耕史さんの石田三成も魅力的でした。
再来年大河ドラマ『どうする家康』では石田三成どんなふうに描かれるかな。
以前NHK『偉人たちの健康診断』で紹介されていたお茶の効用についてまとめてみました。
来年の大河ドラマは三谷幸喜さん脚本の『鎌倉殿の13人』、再来年大河ドラマは人気の戦国時代を扱った『どうする家康』…という興味をそそられるラインナップです。
疲労回復するために少し熱いお茶を飲んで、これからの大河ドラマへと思いを馳せますか。