夕方に、NHK朝ドラ「ひまわり」の再放送をやっています。
それほど熱心に見ているわけではありませんが、家にいる時はつけています。
たまたま長女が休みで一緒にみていました。
長女が「何?このドラマ。」と言うので、私が「松嶋菜々子が主演の昔のドラマでねぇ。『ひまわり』って弁護士の話なのよ。」と答えると。
その会話を母が聞いていて、「ひまわり?買い物に行くの?」と言いました。
母の脳内が、数十年前の金沢に住んでいた頃にタイムスリップしたようです。
母は、生まれ育った名古屋のことは覚えていても、子育てをしていた40代から夫婦二人暮らしの70代までを過ごした金沢市のことは、あまり覚えていません。
その金沢市に住んでいた頃に、毎日買い物をしていたスーパーが「ひまわりチェーン」だったのです。
ネットで調べてみると、「ひまわりチェーン」は今も存在していました。
金沢市に何店舗かありました。
でも母が毎日買い物をしていた店舗はもうずっと昔に閉店しています。
母は金沢での暮らしのことを話すことはほとんどないのですが、「ひまわり」という名前に反応しました。
母の中で、子育てをしていた頃の金沢での毎日がちょっと蘇ったのかと嬉しくなりました。
認知症を発症すると代表的な症状として記憶障害が起こります。
認知症の影響で起こる記憶障害は昔の記憶ではなく、新しい記憶が多いとされています。
そのため、認知症の方は最近のことは忘れてしまっても昔の記憶は残っていることが多いです。
母が30代まで住んでいた名古屋のことを忘れずにいるのは、昔の記憶を保持しているからです。
反対に最近のことを忘れてしまうのは、認知症により脳の海馬の働きが弱まっている影響で、物事を覚えにくくなるからです。
幼い時や若い時にあった昔の出来事は記憶されているため、認知症になってもある時期までは思い出すことができるんですね。
母もそうですが、認知の方が昔の記憶を話す時、懐かしい話や楽しかったことは心が穏やかになり、幸せな気持ちになる方が多いと思います。
「回想法」ですね。