ジムの更衣室で会話が聞こえてきました。
親の介護が始まったようですが「(親が)何もお金がないという事実にびっくりよ!」という少し大きめの声でした。
私が母を自宅で同居介護していたのは、6年と2か月。
これを長いと感じるか、短いと感じるか。
私が母の介護で、「助かったな」と思うのは「お金」の問題です。
裕福な家計ではなかったけど、「贅沢」と無縁の両親は、自分たちの老後のためのお金がそこそこありました。
これは主人の両親も同じです。
そして「自宅」で介護したことで、介護の費用は抑えられました。
NHK『あさイチ』で「介護のお金」について特集していました。
施設に入所を考える時、真っ先に「特養」を思い浮かべる方は多いでしょう。
目次
特養
収入・預貯金に応じて安くなるのが公的な施設「特養」、特別養護老人ホームです。
家計を同一にする人全員の貯金や収入などで決まります。
入居金なし、月額6~16万円。個室タイプと相部屋で価格は異なります。
「特養」は大前提として、介護度3からの入所と決められていますが、在宅介護が難しい場合など「特例入所」が認められるケースもあります。
番組では、「要介護5で特養の空きを3年待っていました。しかし、痰の吸引が奥深いために医療行為に近いから預かれないと断られました」という事例もありました。
そう、特養は医療行為が必要な人は入居できないことが多いのです。
特養では24時間看護師さんが常勤しているわけではありません。
北海道の義父も病院に搬送されて退院した時に、医療行為が原因でそれまでいた特養に戻れなくなりました。
医療行為をお願いできる施設
公的な介護医療院であれば、医療と介護の両方に対応しています。
要介護1以上で入所可です。
特養に比べて、若干費用はかかります。
地域によっては数が少ないのが問題点でしょうか。
民間の介護付き有料老人ホームでも可能ですが、費用はピンからキリまで。
中には1億円という初期費用がかかる施設もあります。
介護業界の倒産
今、介護業界は苦境に立たされています。
有料老人ホームの倒産件数が昨年は過去最多、18法人少なくとも40もの施設が閉鎖に追い込まれました。
訪問介護も、介護報酬のマイナス改定やヘルパー不足などで、2024年の倒産は過去最多の81件に達し、2年連続で最多を更新しました。
閉鎖の事実は、利用者さんには突然告げられます。
1週間以内に退去するよう求められた千葉県の事例もあったのですが、ケアマネさんの奔走により利用者さんの行く先は決まったそうです。
以前は介護施設の倒産はレアでしたが、今では身近に起こる問題。
運営がしっかりしていても、資金繰りが厳しいなどの実態がありますから、施設を選ぶ時に考えなくてはいけないのです。
- スタッフさんの離職率が13%を上まわっていないか。
- 入居者2.5人~2.8人に対し、スタッフさんが1人程度の人員配置ができているか。
見学に行った時に「離職率」と「人員配置率」に関して質問した時に、ぼかすような施設は要注意でしょうか。
施設を決めなきゃならない時って急にやってくるから、ゆっくり決める余裕がないのが現実よね。
北海道の義父は若い頃から足が悪く、障害者手帳を持っています。
「障害者控除」という仕組みも、介護する上で知っておいた方がいいと思います。