NHK朝ドラ『ばけばけ』は魅力的なヒロインもそうですが、周りの人々が物語を盛り上げています。
ヒロインのトキは没落武士の家庭で育ちます。

ドラマスタートは明治8年。
その4年前に廃藩置県が断行され、鹿児島・山口・高知・佐賀の旧藩士出身者が政府の要職である参議に就任することで、服制改革が実現します。
ドラマスタートと同時に
雨清水家は上級武士でしたが、傳様は自ら髷を切る革新派です。
北川景子さん演じる奥方は、自分の旦那様を「傳」と呼び捨てにします。なぜなら奥方のご実家が雨清水家よりさらに格上の家だからです。同じ明治の世の大河ドラマ『八重の桜』で八重が旦那様を「ジョー」と呼び捨てにしていたのとは理由が違います。
しかし物語はその後明治19年になり、武士の世が終わった文明開化の世にもかかわらず、ヒロインの父親松野司之介や祖父勘右エ門は髷を落とさず頑なにチョンマゲ姿を貫いています。
今まで信じてきたものが急に変わり、混沌としていく時代に生きている没落武士の一家なのです。
これは前ドラマ『あんぱん』で、戦争が終わりヒロインのぶが信じてきた正義が逆転した世の中に戸惑う姿に通じます。
明治18年12月に太政官制から内閣制へと国家の官制が大改革されたのをきっかけに明治19年5月には、公務員の仕事着も洋服になっています。
女性はまだ時間がかかったものの、男性が洋服を着る社会となったわけです。
参考文献⤵
トキの父親司之介は、トキの1回目の見合い失敗を機に髷を落とし、またトキの旦那様も司之介を見習って祝言の時には髷を落とします。
それにあわせて洋服を着るようになります。
トキの祖父勘右エ門はまだチョンマゲに着物姿で、婿殿に「松野家の格式」を主張し厳しく鍛えようとしている姿に不安を覚えます。
婿殿、大丈夫か~~~
いや、大丈夫じゃないよね(´;ω;`)
『ばけばけ』にたびたび登場するしじみ汁美味しそうです。
個人的には「しじみ」より「あさり」が好き。


