長女から借りた本。
先ほど、ようやく読み終えました。
10年近くまえに発売された「神様のカルテ」
第1作~3作までは読みました。
4作目は発売されてることすら知らなかった。
この4作目は「番外編」みたいな感じです。
今回読んだ『新章 神様のカルテ』
なるべくネタバレしないように感想を綴りたいのですが、ちょっとだけ入っちゃいます。ごめんなさい。
爽やかで純粋無垢で笑顔が魅力的で、それでいてナヨナヨしてない完璧な女性、栗原榛名(くりはらはるな)。
宮崎あおいさんにぴったりです。
でも私は、この栗原榛名の描き方がどうも好きではないのです。
1作目、2作目あたりまではスルーしていた自分の気持ちが、この最新作では「ちょっとやりすぎじゃね?」と思いましたね。
完璧すぎるのですよ。
山岳写真家でもある榛名は、写真を撮るために世界を回りながら、医師である夫の一止(いちと)を支えています。
お互いに絶対の信頼があります。
お給料が下がろうとも、どこか山奥に転勤になるかもしれないと言われようとも、榛名は「大丈夫です。」とニッコリと受け入れるのです。
第5作の今回は、世界こそ回っていないものの、持病を抱えた幼子の世話をしながら、写真集を出す準備を進めている榛名。夫の一止のお給料がガタンと下がるので、内助の功で家計を助けるためです。
幼子を預ける親戚もいない榛名が、写真集に載せるための写真を、いつどこで撮影したのかは謎。山岳写真家でしょ?幼子連れて撮影はできないよ?撮りためていたものを載せるだけの写真集?
写真集の打ち合わせのために東京へ行く時は、やむを得ず子供を育てたことのない近所の若い男性(一止の友人)に幼子を預けます。え?預けちゃって大丈夫?1時間や2時間じゃないんだよ?
一止の友人たちにサッと手早く手料理を振る舞い、いつでも笑顔で、泣く事も怒る事もしない。
細い身体なのに力持ち、働き者。
世界一美味い珈琲を入れ、一止をいつも気遣い、一止はどんなに疲れていても悩みがあっても榛名の笑顔さえ見れば元気になる。
一止の周りの人たちも榛名のことを大絶賛。
そう、榛名は欠点がない、非の打ち所がない完璧な良妻賢母、理想の女性なのです。
どこにいるんじゃ、そんな女性!
地方の病院の過酷な現状や、大学病院での理想と現実の葛藤は、リアルな物があります。
だからこそ、奥様にロマンを求めたのでしょうか?
榛名は作者の理想の女性であり、とどのつまり都合の良い女性?
なんだか都合よすぎて、私は共感できなかった。
男性はこういった女性を妻にしたいのだろうなという本音を垣間見た気分です。
夫が何を無茶言っても笑顔で「大丈夫です。」とついてきてくれる妻。
「お金のことは心配しないでください。」と受け入れ、写真集を出して印税で家計を助けるってか?
なんかなぁ・・・。
先週末にやってたドラマ「二つの祖国」で仲里依紗さんが演じてた不満たらたらアル中の妻の方が人間味あるじゃんとさえ思えてしまう。
「二つの祖国」は大河ドラマでの「山河燃ゆ」での印象が強いです。
仲里依紗さん演じたエミーは多岐川裕美さんが演じられてました。
まぁ、その話はまたいつか。
ついでに。
映画では櫻井翔さんが演じられていた主人公「栗原一止」ですが、私のイメージとしては翔くんよりニノなんだけどなぁ。
ニノなら「二つの祖国」の賢治も演れそうね。
ひがみ半分嫉妬半分かもしれない榛名に対する私の評価ですが、まだ読んでいない4作目『神様のカルテ0』も読んじゃおっかなと思っております。こちらはスピンオフの短編集ですから、軽い気持ちで読めそう。