先週のNHK朝ドラ『虎に翼』では婦人代議士の立花幸恵の再登場だけでなく、まさかまさかの茨田りつ子まで出演してくれて、花江ちゃんの夢の中では直道さんまで登場して名台詞まで聞けて、面白さ倍増でした。
「はて?」はもちろん、「俺にはわかる」も流行語大賞とってほしいな。
『虎に翼』の面白さはいろいろあると思いますが、朝ドラにありがちな女性の半生記を描くのと同時に、現代史を学べ、またリーガルドラマであること。
もちろん朝ドラですから、ドロドロのサスペンスや犯人捜しではなく、身近な民法を学びましょう…みたいな?
先週は、主人公寅子の同級生大庭梅子さんも再登場で、ご主人の遺産相続についてのお話でした。
時代は昭和24年。
戦前の「家制度」では、戸主の地位を相続した者(長男?)がその地位とともに財産をも継承する「家督相続」が原則でした。
梅子さんの長男も(職業は弁護士)そこんとこグダグダ言ってました。
終戦後、その制度はガラッと変化し、個人主義の観点から戸主以外の相続人にも相続権が認められました。
その結果、配偶者は遺産の3分の1を相続できるようになったのです。
その後の民法改正により、昭和56年からは配偶者は2分の1を相続できるようになりました。
戦後の新憲法制定で日本政府の抵抗の強かったものの1つが女性の権利であり、当時の政府は「日本には、女性が男性と同じ権利を持つ土俵はない。」と一蹴しようとしたことはよく知られています。
本当に、まだ100年もたっていないわずか数十年前まで、女性は二等市民、単なる労働力だったのです。
男女同権が憲法に明記されてから、まもなく80年になろうとしています。
『虎に翼』では花江ちゃんがひとりで家事を頑張ろうと孤軍奮闘していましたが、「女は家事ができて当たり前」という呪縛、「手作り神話」、「母親が中心になる育児」、「専業主婦を下に見る目線」が、令和の現在も都市伝説として日本人の根底に残っているような気がいたします。
6月26日㈬に放送されたNHKの「ネットdeアラカルト」での男女平等に尽力した女性(平塚らいてうetc)の歴史も面白かったです。
梅子さんは轟さんとよねさんの弁護士事務所に居候するようになりましたから、法律に関わっていくのでしょうか。
『虎に翼』は半年間にわたって放送されるドラマ、これでようやく折り返し地点あたりです。
面白すぎて、内容濃くて、もうずっと見ているような気がしますが、まだ残り3か月あります。
戦後日本の法曹界で寅子が、そして彼女をとりまく大学の同級生たちがどのように活躍するのか、楽しみです。
今週はいよいよ岡田将生さんが登場ですね。