2027年のNHK大河ドラマは『逆賊の幕臣』、主演は松坂桃李さんです。脚本は安達奈緒子さん。
最近では『青天を衝け』で武田真治さんが演じていらっしゃいました。
幕末の混乱期、小栗は、勘定奉行、外国奉行などの江戸幕府の要職を歴任し、その能力を高く評価されていました。
しかし大政奉還後、小栗は新政府軍により、反乱の恐れがあると捕らえられ弁明することもかなわずに処刑されてしまうのです。
目次
小栗上野介忠順
小栗の祖先は、戦国時代からの松平(徳川)家の家臣という古い家柄です。
元は松平姓を名乗っていたということですから、主家の血縁であり、江戸時代を通して旗本として徳川家に仕えてきました。
幕末、小栗は30代の若さでしたが、海外の知見を幅広く受け入れ、フランスと協力関係を結んで横須賀に造船所を設立するなど、明治時代の先駆けとなった多くの政策を断行したのです。
徳川埋蔵金
小栗が一般に名前が語られるのは、幕閣としての評価ではなく、いわゆる「徳川埋蔵金」に関連した人物としてです。
江戸時代の末期、幕府が密に「復興」のための軍資金を江戸城から運び出し、地中に埋葬したという「伝説」がまことしやかに伝えられています。
その埋蔵作戦の首謀者が小栗で、幕府の金塊は、彼の郷里に近い赤城山の山麓に埋められているというのです。
疑われた小栗
1868年1月、鳥羽伏見の戦いで敗北を喫した幕府は、主戦論を唱える小栗と、恭順論を唱える勝海舟らが激しく対立します。
最終的に将軍徳川慶喜は主戦論を退け、小栗は幕府の役職を解任されます。
小栗は故郷の群馬に引き上げるわけですが、小栗は幕府の金を持って逃げたと疑われるのです。
えぇ、1868年4月に江戸城が無血開城となりますが、その時維新軍は江戸城内を捜査するも、城内の金蔵はほとんど空だったのです。
大政奉還の直前まで勘定奉行を務めていたのは小栗ですから、疑われたのでしょう。
無念の処刑
権田村にもどっていた小栗ですが、中山道を進駐してきた新政府軍により、反乱の恐れがあると捕らえられ弁明することもかなわずにすぐに処刑されてしまいました。
慶応4年閏4月6日のことです。西暦ですと1868年5月27日。
157年前の今日です。
小栗自身反乱を起こす気などなく、これは濡れ衣です。
小栗に見られるADHDの特徴
小栗は聡明で将来を見通す能力があり、有能で仕事熱心でした。
また「新奇なもの」への関心も高かった。
海外の文化の「凄さ、質の高さ」を実感し、それに追いつこうとして幕府の改革を進めます。
造船所の設立、銃器の製造、軍政の改革、総合商社の設立など、古い幕府の体質を変革し、明治時代の先駆けになる政策を遂行しました。
しかし、周囲への配慮がなくずけずけとものを言い、他を罵倒することを繰り返したため、人々からは嫌われて避難の対象となります。
この小栗の性質は、年少のころから見られたようです。
小栗にみられる「衝動性のコントロールができない」「新奇さへの希求」「危険を好む特性」は、ADHD(注意欠如多動性障害)に特徴的な性質であるとしているのが、医学博士の岩波明氏です。
参考文献⤵