母には時々せん妄の症状が出ます。
寝ぼけた感じで、夢と現実の区別がつかなくなるらしく、寝て起きた後に、わけのわからないことを言うのです。
目次
母の疑問
たとえば。
朝5時すぎ。
「ねぇ、お父さん死んでないわよねぇ?」と私を起こしにくる母。
私「(寝ぼけまなこ)亡くなったよ。」
母「どこで?家じゃないよね?あ、二号さんのところ!?」
今の若い方は「二号さん」という言葉を知らないそうで。ウチの娘も「???」でした。二号さんとは「愛人」のことです。
私「(寝ぼけまなこ)お父さんは病院で亡くなったよ。10年以上前に。」
「2号?1号?仮面ライダー?」
怒る母
たとえば。
「頭にきたわ!」と起きてくる母。
母は「子どもと男は、ただただ食べてるだけ。私がずっと洗い物してるのよ!」と怒って怒って、まくしたてます。
「あら、それは大変ねぇ。」と適当に相槌をうっていれば収まります。
若い頃のトラウマでしょうか?
慌てる母
たとえば。
「大変、大変!」と起きてくる母。
「終電車が出ちゃうわ!」と慌てています。
私「どこかへ行くの?」
母「おウチへ帰るのよ!年末だから!」
私「今は12月じゃないよ。で、おウチってどこ?」
母「名古屋?違うわねぇ。金沢?違うわねぇ。」…と考え込む。
鬼のような私
母の脳内はいずれも夢の中にいるわけですから、こういったせん妄が起こるのは夜が多いのです。
夜中に騒ぐのやめてください!
…私は眠いんですから💤
ある夜、寝る前に私は母に言いました。
「夜中に私を起こさないこと!よほど重要なことでない限り、夜中に私を呼ばないこと!」
そんな宣言をしたって、気休めであり、母が覚えているわけがないのですが、とりあえずそう言い放って、私は自分の部屋で寝ました。
その日の夜中。
母が台所でゴソゴソとやっている気配を感じました。
私は無視してベッドの中にいました。
しかし、かなり長い時間ゴソゴソやっています。
耐えられなくなった長女が、「おばあちゃん、どうしたの?」と台所へ行きました。
その時長女が目撃したのは。
空のペットボトルに、一生懸命水道水を注いでいる母でした。
使用済みのペットボトルを洗って、台所に乾かしておいたのですが、それを使って水を汲もうとするのですが、上手にできず、水道から水がダダ洩れ状態でした。
長女「おばあちゃん、どうしたの?喉がかわいたの?」
母「コップの場所がわからなくて。なのでこれで(ペットボトル)飲もうと思ったんだけど。」
長女「戸棚の中にコップあるよ。喉が渇いたら、私でもママでも起こしていいんだよ。熱中症になっちゃうよ。」
長女がコップに水を入れてあげると、母は「ありがとう」と美味しそうに飲み干しましたとさ。
私が意地悪な「起こさないで!」宣言をしたことを母は覚えていませんが、なんとなくタイミングが悪く、私は「鬼娘」の烙印を押された気分でした😞
戸棚の中からコップを出すことすらできない母。
一時期、母のコップだけは、流しのすぐそばに出しっぱなしにしておいたのですが、最近はそれをやめていたのです。
やはり、母のコップは戸棚ではなく、流しのそばに出しておこう。
それ以来、コップをわかりやすい位置に置いています。
夜中に飲んでいる様子はないけど。